有機ELの基板材料「PIワニス」の日本企業の独占の構図が崩れる... SKCコーロンPIが量産開始


2018.03.12 ET News

 

韓国のSKCコーロンPIは最近、新規施設投資の公示を行った。フレキシブルディスプレイ、電気自動車、二次電池などの次世代用途のためのポリイミド(以下PI)ワニス(Varnish)生産ラインの構築に120億ウォン投資するという内容だった。同社は9月末までに新規設備をかけて開いた600トン規模のPIワニスラインを構築する計画だと説明した。 

 

PIワニスは、フレキシブル有機EL(OLED)ディスプレイの製造に使用される材料である。フレキシブルOLEDパネルの基板材料となる。OLEDパネルの製造工程を見てみると、最初のガラス上に溶液状態であるPIワニスをコーティングした後、熱硬化させてPI基板を得る。その後、PI基板上に薄膜トランジスタ(TFT)とOLED素子を形成してから、レーザーでガラスから取り外すと、最終のOLEDパネルが作られる。このように製造したOLEDパネルは、基板が薄く柔軟であるのでフレキシブルディスプレイとして分類される。

 

PIワニスはOLEDディスプレイ製造の重要素材である。しかし、これまで日本企業がPIワニス市場を事実上独占した。OLEDは、サムスンディスプレイとLGディスプレーが先に量産に成功し、世界市場をリードしているがOLEDの製造に必須であるPIワニスは、日本企業がサムスンとLG両社に独占的に供給してきた。サムスンディスプレイには宇部興産、LGディスプレーにはカネカがそれぞれ単独で納品している。サムスンディスプレイはPIワニスの安定供給を確保するために、2011年に宇部興産との合弁会社(SU Materials)を作った。

 

SKCコーロンPIの新規投資、すなわちPIワニス量産の確定は、PIワニス素材の韓国製化を意味すると同時に、独占的だった市場の構図が変化したということである。特に量産を確定したということは、需要先まで決定されたという意味であって注目される。 SKCコーロンPIの関係者は、「具体的なサプライヤーは明らかにできない」とし「投資は国内外の市場の両方を念頭に置いたものだ」と伝えた。しかし、業界では、現在、世界OLEDを量産している企業が韓国内にあり、SKCコーロンPIがこれまで国内企業と研究開発した点を挙げて、サムスンディスプレイなどに供給することが有力と見ている。 

 

PI業界関係者は、「これまでは、OLED市場が立ち上がり初期だったし、契約関係もあったので、サムスンと宇部、LGとカネカが独占サプライチェーンの関係を結んだ」とし「しかし、今はOLEDパネルの生産量が増え、ディスプレイの方でも、新しい供給先が必要となったものとみなす。SKCコーロンPIは、サムスンディスプレイと開発してきた」と述べた。 SKCコーロンPIのワニス生産設備は、今年9月末に竣工する予定である。同社は、試運転を経て、下半期本格生産、販売する計画だと明らかにした。