2023年のOLEDテレビの動向


2023年5月22日  UBIリサーチのWeekly Display Industry Analysis Reportより 

 

OLEDテレビの動向の概要

 

・2023年に発売される有機ELテレビは、これまでLG電子やサムスン電子をはじめ、ソニー、フィリップス、パナソニック、ハイセンスなど49機種が発売されている。

 

・LG電子は、これまでと同じBシリーズ、Cシリーズ、Gシリーズ、Zシリーズの有機ELを発売し、Aシリーズは発売されなかった。

 

・サムスン電子は、QD-OLEDテレビのラインナップを昨年の55インチと65インチから77インチに拡大し、S95BシリーズのみだったラインナップをS90C、S94C、S95Cなど各種シリーズに拡大した。

 

・また、ソニーは、サムスン ディスプレイのQD-OLEDパネルを搭載したQD-OLEDテレビA95Lシリーズも77インチに拡大し、LG Display社のWOLEDパネルを搭載したA80Lシリーズには83インチモデルが追加された。

 

・有機ELテレビの総発売機種数は、2018年に28種、2020年に48種、2022年に81種が発売され増加したが、、2023年5月にこれまでに49種が発売されており、2023年の有機ELテレビの発売機種数は昨年並みとなる見通しだ。

 

2023年のOLEDテレビの特徴

 

・サムスンは、S95Cに適用したQD-OLEDパネルが最大輝度2,000nit以上に達し、2022年のQD-OLEDパネルより消費電力が25%少ないことを発表した。

 

・SamsungのS90CとS95Cは、解像度が4K、応答速度が0.1ms、リフレッシュレートが144Hzとなっている。S90Cの上位機種であるS95Cは、S90Cよりも消費電力が少なく、ピーク輝度も高い。

 

・S95Cは、昨年モデルのS95Bよりも薄型で、従来の接続ポートをテレビの外側に取り外した「One Connect Box」を別途搭載している。 LGのG3モデルは、LGディスプレイの新しい「Metaテクノロジー」とマイクロレンズアレイ技術で作られている。G3モデルの最大輝度は2,100nitsで、標準的なB3およびC3モデルより70%高い。 ソニーのA95Lは、まだ発売日が明確ではないが、2023年後半に登場すると予想されている。

 

・ソニーのQD-OLEDパネルは、サムスン同様、サムスンディスプレイの第2世代QD-OLEDパネルです。第2世代QD-OLEDパネルを搭載したソニーのA95Lは、A95Kの約2倍の最大輝度である。

 

・ソニーの第2世代QD-OLEDテレビは、4K解像度を最適化する新しい画像処理方式「XRクリアイメージ」を搭載している。

 

2023年のOLEDテレビの価格

 

・LGの2023年型WOLEDテレビの発売価格は、2022年型WOLEDテレビの発売価格より100ドル高かった。2023年モデルの発売以降、LGは新モデルの価格を維持したまま2022年モデルの価格を引き下げた。

 

・LGのGシリーズは、マイクロレンズアレイとメタ技術を応用して明るさと視野角を改善したが、セットの価格は昨年からあまり変わっていない。

 

・サムスンのQD-OLEDテレビは、2022年モデルはB、2023年モデルはCと表示される。

 

・55インチと65インチのサイズでは、SamsungのS95CはS95Bより300ドル高い価格で、新しい77インチは4,500ドルという価格である。

 

・2023年、55インチ、65インチ、77インチのQD-OLEDテレビの新シリーズS90Cの価格は、それぞれ1,900ドル、2,600ドル、3,600ドルである。

 

・昨年、ソニーのQD-OLEDテレビのモデル「A95K」の価格は、55インチが3,000ドル、65インチが4,000ドルである。55インチと65インチのA95Lは昨年と同じ価格帯を維持し、77インチの有機ELテレビは少なくとも6,000ドル前後の価格になると予想される。