BOE、10月からiPhoneの13のパネル量産


2021年10月22日 UBIリサーチ

 

BOEはAppleのiPhone 13のOLEDパネルを供給する予定である。iPhoneのパネルは、低温多結晶シリコン(LTPS)TFTが適用された5.4インチ、6.1インチ60Hzの2つの製品と、サムスンディスプレイとLGディスプレーが、低温多結晶酸化物(LTPO)TFTが適用された6.1インチ、6.7インチ120Hz製品はサムスンディスプレイが独占的に供給していた。今回BOEがAppleに承認を受けて納品するパネルは6.1インチLTPS TFTパネルである。BOEのパネルは、近いうちにAppleの承認を受けた場合、10月末に量産を開始する予定である。

 

Size(inch) TFT(Frequency)     Panel Supplier

5.4     LTPS  (60Hz)     SDC、LGD

6.1     LTPS  (60Hz)     SDC、LGD、BOE(予定)

6.1     LTPO (120Hz)      SDC

6.7     LTPO (120Hz)      SDC

 

BOEで既存のiPhone12に供給していたパネルは、前工程はB7(成都)ライン、モジュール工程はB11(綿陽)ラインで製造された。今回はiPhone13向けで、B11ラインの蒸着歩留まりが改善され、前工程とモジュール工程の両方でB11ラインで製造することになった。BOEがiPhone 13用に納品するパネルの総量は1,500万台レベルと推定される。

 

一方、BOEはLTPOラインの開発も急速に進行中という。BOEのB11ラインのLTPO開発速度はB7ラインよりも速く、現在すでに量産能力を持っていることが分かった。BOEはLTPO開発が相当レベルまで進行しており、Appleの次期製品であるiPhoneの14(仮)にLTPOパネルを供給することができるか関心が注目されている。

 

BOEは、Appleだけでなく、最近、サムスン電子もflexible OLEDの供給を拡大し、flexible OLED市場での影響力が大きくなっている。BOEが初めてAppleに新製品パネルを供給することにより、国内パネルメーカーの対応がどのように行われるのか成り行きが注目される。