BOE、3番目のフレキシブル有機ELパネル工場を着工


2018.12.11 ET News

 

中国最大のパネルメーカのBOEが、第三番目の第6世代フレキシブル有機EL(OLED)工場のB12の建設をスタートした。第三の工場が完成すれば、スマートフォン用OLED生産能力で、サムスンディスプレイと同等となる。LGディスプレーとは格差をつけて、世界で2位の座を固める可能性がある。このように速度面で、中国が液晶(LCD)に続き、OLEDでも韓国を追い越す可能性が懸念される。 

 

11日、中国の現地メディアによると、BOEは、最近に重慶で三番目フレキシブルOLED工場B12の起工式を開催した。しかし、まだ最初の工場のB7での歩留まりが安定していない。

 

B12工場は総額で465億元(7580億円)を投入し、月に4万8000枚の生産能力の規模となる。スマートフォン、ノートパソコン、自動車などのためのフレキシブルOLEDを生産する予定である。重慶では、BOEは8.5世代LCDを生産している。 これまで国内外のディスプレイ業界では、BOEが新しい6世代フレキシブル工場では、B12とB15の投資が予測している。しかし、中国の中央政府が地方政府の負債比率の調整、ディスプレイの投資に伴う成果などを入念に検証し、そのために投資のスケジュールが遅れたり、規模が縮小されることが見通しが出た。 それでも地元の専門家によるとBOE、チャイナスターのような上位の大手企業は、投資計画に大きな変化がない。ただし後発メーカが新規に参入したり、投資資金集めに難しさを経験していることが分かった。 BOEはB12工場を起工することにより、来年上半期中に製造装置を発注することが予想される。 B12工場はB7、B11と同じ最大で月4万8000枚の生産能力の規模となる。現在B7は量産を開始し、B11は来年に量産稼動を目標に機置を搬入している。 B12が完成すれば、BOEは第6世代フレキシブルOLED工場の3か所での合計で、月14万4000枚生産できる規模を備えることになる。これは世界最大規模でフレキシブルOLEDを製造するサムスンディスプレイに続いて二番目の規模となる。 

 

サムスンディスプレイはA3工場で月13万5000枚、新規のA4工場で月3万枚規模の生産能力を備えている。総規模で、サムスンディスプレイが優勢で基板の投入量と実際の生産量の比も、サムスンディスプレイが絶対に多い。サムスンディスプレイの製造量は、世界の第6世代フレキシブルOLED市場で約95%を占めた。

 

BOEはB7で量産しているが、まだ歩留まりや生産量の面でサムスンのレベルには大きく及ばない。 しかし、LGディスプレーとは、生産能力の面での格差を繰り広げることになる。LGディスプレーは第6世代フレキシブルOLED工場のE5に月1万5000枚、E6に月3万枚規模の生産能力をそれぞれ備えている。4世代工場のE2は月2万3000枚の生産能力を保持した。生産能力はBOEの半分に及ばないものの、最近ではE5の稼働率を高めながら生産量が少しずつ増加している。E6の稼働率も高めている。 

 

BOEのほか、来年の中国で第6世代フレキシブルOLEDに投資する企業は、Visionoxである。最近は月3万枚規模のパネルを生産する合肥V3ライン投資を確定した。V3の製造装置の発注も来年上半期中に行われると思われる。 

 

サムスンディスプレイとLGディスプレーは来年に中小型OLED投資の可能性は低いが、中国では投資が発生すると思われる。 韓国の業界関係者は、「中国が技術的な障壁で、OLEDは韓国にしばらく後れを取ると予想したが、最近の投資速度が速く、OLEDも間もなく抜かれるとの危機感が高い」と憂慮した。