BOEとCSOTの2社がフレキシブルOLEDの生産スタート


2018.08.19  ET News

 

中国のディスプレイの「ビッグ2」であるBOEとチャイナスター(CSOT)が、第6世代フレキシブル有機EL(OLED)の生産を加速している。すでに量産を開始したBOEは第二段階の操業を控えており、後発であったチャイナスターは試験稼動を開始した。中国の1、2位のディスプレイメーカーの進捗が、今後の市場に及ぼす影響に関心が集まっている。 

 

19日、業界によると、最近にチャイナスターは、最初の6世代のフレキシブルOLED生産工場のT4稼動を開始した。まだ正式量産ではなく、初期の試験稼動段階である。

 

武漢にあるT4は月4万5000枚規模の生産能力を備えている。今回の試験稼動を開始したラインは、第1段階の投資分の月1万5000枚である。 

 

チャイナスターは、昨年6月から工場を建設した。総350元(約5800億円)を投入した。同社は、この工場で、フレキシブルOLEDとフォルダブルパネルを作る計画である。 チャイナスターは他の中国のパネル競合他社よりもフレキシブルOLED投資には遅れてスタートした。

 

BOEはB7を量産稼動しておりエバーディスプレイ、天馬などが既に投資している。BOEはHuaweiなど複数の中国の顧客を確保して供給を準備している。 

 

しかし、中国のCSOTは、最初の投資規模を月4万5000枚で計画して、序盤から果敢に製造に踏み出したという評価である。中国内の競合他社であるBOEとの差を縮小して、世界市場での地位を確保しようとする戦略とみられる。 チャイナスターが試験稼動を開始することにより、来年度のフレキシブルOLED市場にどのような影響を及ぼすかの関心が高まっている。BOEはB7でパネルを生産しており、サムスンディスプレイの独占的供給構造が壊れた。サムスンディスプレイがまだ世界市場の約95%を占めているが、BOEは追撃を加速する態勢である。 

 

チャイナスターがやっとフレキシブルOLED生産を開始したという点を考慮すれば、当初に目標にした来年の第2四半期に量産は難しい可能性もある。フレキシブルOLED技術難度が高く、中国メーカはフレキシブルOLED生産に困難を経験しているからである。BOEもB7収率が70%と明らかにしているが、韓国内の品質基準を適用すると、これに大きく及ばない20%前後のレベルにとどまるという評価がある。市場参加者は、増えるが、サムスンディスプレイを脅かすレベルに成長するかなりの時間が必要になることができる。 

 

今年の下半期と来年にかけて天馬とVisionoxも6世代フレキシブルOLED量産に乗り出す。天馬の既存の1段階の投資分を再計画し、第2段階の投資分で年内量産するという目標を立てた。Visionoxは、来年から量産するために準備をしている。両社とも5.5世代リジッドOLEDを先に生産した経験をもとに、第6世代のフレキシブルOLED生産を開始する予定である。