CSOT、8.5世代インクジェットOLED製造の準備段階


2020.10.19 Theelec

 

世界初のインクジェット方式8.5世代の大型有機EL(OLED)の生産ラインを、来年に着工する予定の中国TCLは、このプロジェクトが順調に進んでいると明らかにした。

 

中国のメディアタイムウィークリーによると、16日、中国国際OLED産業大会」でTCLの子会社であるパネルメーカーCSOTの研究開発(R&D)総経理は、「(広州T8生産ラインプロジェクトは)順調に進んでいる」とし「プロジェクトは、準備段階」と述べた。T8プロジェクトは広州に入る8.5世代プリンティングOLED生産ラインを指す。

 

総経理はこの日、メディアに「T8プロジェクト量産目標時点は2024年だ」と語った。8月にリーヅンソンTCL会長が業績発表で明らかにしたのと同じ内容である。当時にリーヅンソン会長は「来年に広州8.5世代プリンティングOLEDラインを着工し滞りなく進行すると、1年6ヶ月後に稼働に入るだろう」と述べた。

 

CSOTが8.5世代T8プロジェクトに投資する全体の金額は460億元(約78000億円)である。本格的な投資期間は2021〜2023年である。今年の投資額は300万元(約5億円)である。

 

CSOTは6月に、JOLEDとインクジェットプリンティング方式のOLEDの製造技術を3年間共同開発する計画だと明らかにした。CSOTはJOLEDに 300億円(約3000億円)を投資してJOLEDに持分で10%を保有することになる。

 

去る1月のCESでTCL(CSOT)は子会社の広東コインと開発した31インチのインクジェット印刷ローラーブルOLEDパネルを展示した。量子ドット(QD)-OLED技術とオキサイド薄膜トランジスター(TFT)を使用した。インクジェット印刷OLEDは、現在はJOLEDとTCL、サムスンディスプレイ3社のみ関連技術を保有している。現在、LGディスプレーが主導する大型OLED生産方式は、真空蒸着方式を活用する。