サムスン電子の将来テレビの展示コンセプト、量子ドット液晶テレビへの不安


2016年9月7日 UBIリサーチ

IFA2016で示されているサムスン電子のTVブースは、以前とは非常に異なる点がある。現在市販されているLCD TVはLED BLUを使用しているTVと、量子ドットシート(quantum dot sheet)を使用するSUHD TVの2種類である。ところが、ブース展示スペースの中で非常に広く占めており、紹介されていた製品は、いつ製品化ができるかがわからない量子ドットディスプレイ(quantum dot display)を使用するinorganic TVである。



従来のTV製品の代わりに導入された開発品のinorganic TVはOLED TVよりはるかに性能が優れた製品である。 有機ELテレビを示す「organic」は、時間の経過に応じて輝度が急激に落ちるが、inorganicは変化がほとんどない。このことが事実であれば、永久に使用することができるような優れた製品である。

Organic TVの光源から出る光は、RGBが非常に曖昧である。これに比べてinorganic TVは生まれからは確実なRGBである。この光がカラーフィルタに到着する前に、すでにinorganicは、独立した波長と強度を形成しているが、organicはまだ色が分離されていない曖昧な光である。展示会で見ることができるinorganic TVの構造は、液晶とカラーフィルターの間にquantum dot物質が挿入される形であると推定される。従来の有機ELテレビでは、カラーフィルタを通過したorganicの光は、青色と緑色が混ざっている2波長の光を3波長に変換させたものであり、三原色の色純度が落ちる。これに比べてinorganicはカラーフィルタに到達前で比較すると、はるかに色が優れた光で、より強く外部に出ている。



この二つの展示内容が事実であれば、サムスン電子は本当に驚異的な次世代TVを準備している。

問題は、この技術は、開発中の概念に過ぎないというのが展示参加者の指摘である。製品化がまだできない未知の世界をあまり正確に自信を持って説明したサムスン電子については、逆説的に、将来TVのために準備が全くされていない状況が見てとれる。

さらにOLED TVを現在市販されているSUHD TVと比較せずに、将来のTV技術と比較することにより、quantum dotを使用している現在のSUHD TVよりもOLED TVが優れているということを間接的に認めてしまった。

サムスン電子は、IFA2016でSUHD TVが持続成長であること知ってもらいたいし、OLED TVは近いうちに消えると表現したが、むしろOLED TVは、現在のSUHD TVよりも優れているため、将来的に作成されたinorganic TVと比較するしかない緊迫した状況あることを自認してしまった。

最後に付け加えるが、LCD TVに何をしても完全な黒を表現できない。