International Display Workshop 2022の概要


○2022年12月26日  UBIリサーチのWeekly Newsより

 

SID日本支部が毎年この時期に開催する International Display Workshop (IDW) 2022が、12月14日~16日に福岡の国際会議場で開催された。Openingに続くKeynote speech ではStanford大のBao氏、MetaのLu Lu 氏、KopinのTomine氏の3名が講演した。

 

Stanford大のBao氏はStretchable Electronicsのパイオニアとして著名であるが、本講演ではStretchable polymer の半導体や導電体の材料開発について、相反する導電性とstretchable性をどのように両立させるのかを含めて紹介した。そして現在のStretchable Transistor の移動度は~20cm2/v.s とpoly Si の領域に達しているとも述べた。またStretchable Display については、現在試作されているIsland-Bridge構造ではなくて、全体が伸縮するintrinsically stretchable の all polymer LED について紹介した。

 

MetaのLu Lu氏 は、Metaverseの時代に中心的な役割を演じるAR/VRをより進化させるために重要となるのがLC技術であることを力説した。特にVRにおいてはDisplayとしてLCDが多く用いられているが、Lu Lu が本講演で紹介したのはLC Photonics である。例えば Liquid Crystal Polarization Hologram (LCPH) によって色収差の補正をしたり、Holographic Optics によってVR機器の厚さを減少させたり、AR 機器にPolarization Volume Hologram を導入して視認性を高めたりなど多くの応用例を紹介してLC Photonicsの今後の重要性を強調し、関連の業界への協業を呼び掛けた。

 

Kopin の Tomine氏は VR用の micro OLED について講演した。CES2021で Panasonicが micro OLEDを用いたコンパクトなVR機器を出展して話題になったが、このmicro OLEDを供給したのがKopinである。1.3”、2,560 x 2,560 の小型高精細のパネルであるが、これをFOV 95°までに拡大している。この大きな拡大率により画像の中心部と周辺部の解像度に差が生じ、その差が人間の眼の特性に合致(即ち中心窩の部分は高い解像度認識が可能)しているという指摘は大変興味あるポイントであった。

 

今年のIDWはOn-siteとOn-line のhybrid で開催された。各WorkshopでOral 及びposter のsessionが行われた。

 

以前はOLED、LCDなどのセッションの発表件数が群を抜いていたが、近年はmicro LEDや QD、そしてAR/VR が増えてきている。IDW2022では特にMetaverse をハイライトして、新たにMVSというWorkshopを新設しており、AR/VRの件数も多くなっている。

 

QDは色変換に関する発表とQD-LEDに関する発表があり、非Cd化を含めて双方とも今後さらに開発が活発化していくと思われる。

 

IDW2022 では Metaverse Venue が開設され、参加者は自由にこの空間に入ってExhibitor の出展を見学したり、他の参加者と交流したりすることが可能となった。また、この会場においてパネルディスカッションを行うというイベントも開設され、IDW2022がMetaverseにスポットを当てていることに対応していた。

 

IDW2022の Innovative DEMO Award は Letin AR が受賞した。Letin AR AR用レンズの開発で起業した韓国のスタートアップ企業で、Pin Mirrorという小さなミラーをレンズの中に並べ、ピンホール効果でMicro Displayの画像を目に投影するものである。

 

DisplayにはMicro OLED を用いており、またLens module にプラスチックを用いるなどして非常に軽量なAR Glass を実現している。