LG ディスプレイ、IDW2016で有機ELテレビと照明用の最新WOLED素子構造の開発動向について発表


 

 

2016年12月22日 UBIリサーチ

LG ディスプレイは、12月7日から9日、福岡で開かれたIDW(International Display Workshops)2016で有機ELテレビ及び照明用最新WOLED素子の開発動向について発表し、有機ELテレビ用最新WOLED素子の色領域がsRGB対比114%から129%に、DCI対比90%から99%まで拡大されたことを明らかにした。論文では、3スタック構造を適用した55″UHD有機ELテレビがフルホワイトスクリーン(full white screen)で150cd/m2、ピークホワイトスクリーン(peak white screen)で500cd/m2の輝度を示し、2stack構造に比べ20%節約された消費電力効率を示した。


LG ディスプレイの2stackと3stack WOLED照明構造、IDW2016

また、照明用WOLEDの紹介では、有機ELテレビ用WOLEDは、blue/yellow-green/blueの3層タンデム構造であるのに対し、照明用WOLEDは、green-red/blue/green-redの3層タンデム構造であることを明らかにした。反射率の高いAgカソードと光取出しフィルムを適用して90lm/wの高効率を得て、色温度は電球色(warm white range)の2,850Kで、CRIは88の特性を示した。このOLED照明は、2017年第3四半期から第5世代ラインで生産を開始すると明らかにした。


LGディスプレイのlight extraction filmを適用した2stackと3stack WOLED照明構造、IDW2016

一方、LG ディスプレイは、9月に米国サンディエゴで開催されたOLED summit2016で800nitの65″UHD 有機ELテレビを展示し、65″曲面 QD-LCD TVと画質を比較し大きな関心を呼んだ。そして、2017年には輝度がさらに改善された1000nits以上の有機ELテレビを発表するだろうと予想されている。


65inch OLED TV(左)と65inch curved QD-LCD TVのBlack表現力の比較、LG Display、OLED