LGD、テスト完了前にアップル向けの量産ラインの稼動を決定


2018-09-17 The Bell

 

LGディスプレー(LGD)が、アップル専用ラインE6を予定通り2018年第4四半期から稼動することにした。E6は、iPhone用のOLEDパネルを製造するための生産ラインである。しかし、LGDでは、Appleが要求するOLEDパネルの量産性はまだ不十分であることが分かった。まだ納期と収率に不安がある。

 

しかし、LGDと、Apple向けの工場の稼動を強行した。サムスンディスプレイの独占供給体制を壊すことを優先しているという分析だ。

 

14日、電子業界によると、LGDは10月から、アップルのOLEDパネルの生産のためのE6の2つのラインのうち1ライン(E6-1)の量産稼動を決定した。LGDは、2016年7月の坡州に月1万5000枚(15K)規模の6世代フレキシブルOLED生産ラインのE6-1の構築を開始した。2017年7月にE6に月1万5000枚規模の追加ライン(E6-2)の投資も決定した。

 

LGDは、関連協力会社にも、すでにOLED部品を注文した。パートナーは、OLEDパネル用FPCB(フレキシブルプリント回路基板)を製造するLGイノテックと永豊電子だ。LGイノテックなどは9月初めからFPCBラインを量産体制に転換し、生産を開始した。FPCB生産は、通常、OLEDパネルの生産よりも1〜2ヶ月先行される。LGDがE6-1ラインの稼動を確実に決定したという根拠である。

 

LGDは、Appleの要求のすべて達成できていないことが分かった。アップルは、部品調達に先立ちクオリティテスト(以下クォールマーク)を進行する。クォールマークは段階的にサンプルクォールマークと量産クォールマークに分けられるLGDは、サンプルクォールマークは通過したが、量産クォールマークはまだ通過していないというのが業界の関係者の共通の説明である。

 

サンプルクォールマークは、製品の性能や品質がアップルの基準を満たしているかどうかを問うテストである。量産クォールマークは、Appleが要求する期間に必要な数量だけ生産できるかどうかをチェックする作業である。要約すると、LGDは品質力は備えているが、納期や収率はまだアップルの目標に至っていない。

 

今回のLGDのE6-1の操業は「強行」の意味が強い。LGDは歩留まり低調による収益性の悪化を甘受しなければならない。アップルもLGDから量をどれぐらい受け取れるか保証がない。それでも可動の決定を下したのは、サムスンディスプレイ独占構造を壊すことが、アップルとLGDの両方に急務だった分析である。

 

アップルは、OLEDパネルをサムスンディスプレイのみに依存しているせいで、パネルを高く調達してきた。昨年、iPhone X用OLEDパネルは、100ドル以上でコストであった。このために、AppleはiPhoneXを999ドル(約11万円)の高価格で販売した。アップルは、最近公開された新作のiPhone XS(999ドル)とiPhone XS(1099ドル)も、iPhone Xと同じか、さらに高価な価格で売り出した。

 

LGDは内部では、2018年に約200万台の供給を目指しているようである。本来400万台の供給が目標だったが、量産クォールマークが遅れ、目標値を下げた。

 

ある証券会社研究員は「アップルは量産クォールマークまで排除するほどOLEDパネルサプライヤを2社にしたいものとみられる」とし「LGDも収益性より供給を開始するということに大きな意味を置いたものとみられる」と述べた。また業界では、少なくとも年内には2ライン稼動決定は難しいと見ている。