LGDは、AppleのiPhone 向けのOLED生産拡大... LTPO製造装置の追加搬入


2020.11.09  THEELEC

 

9日、業界によると、LGディスプレーは「アップルライン」として知られている京畿道坡州E6-1とE6-2の生産ラインの生産量を増やすことにした。来年まで基板投入が基準月2万5000(25K)枚規模で低温多結晶酸化物(LTPO)薄膜トランジスタ(TFT)のプロセス製造装置を拡充する予定である。

 

LGディスプレーは、現在は5K規模のLTPO製造装置を優先搬入し設置しており、来年5月までに10K規模LTPO装置を追加入荷する予定である。ここでもう一度10K規模LTPO装置まで追加発注が完了したら、計画された全25K規模LTPO装置の投資が完了する。LGディスプレーのパートナー企業は、来年5月に搬入予定の装置の受注を待っていることが分かった。

 

LTPOは、Appleが来年のiPhoneの新製品の上位モデルから適用を予定しているTFT方式である。既存のiPhoneで使用した低温多結晶シリコン(LTPS)TFTの酸化(酸化物半導体)プロセスを結合する技術でOLEDパネル駆動電力を下げることができる。既存のLTPS工程に酸化膜工程を追加するので、工程がそれだけ難しくなる。

 

LGディスプレーがLTPO装置を追加搬入する背景には、アップルの承認があったものと思われる。アップルからパネルの品質の承認を受けずに、LGディスプレーが生産ラインをLTPSでLTPOに切り替えすることは難しい。

 

LGディスプレーは、既存E6ラインの生産能力である30Kより小さな25K規模のLTPO製造装置を搬入する。これはLTPS方式の生産ラインをすべてLTPOに転換する必要がないと判断したか、既存の生産ラインでは、いくつかの活用していないラインがあったものと推定される。

 

来年5月以降搬入予定の20K規模LTPO装置は再来年、iPhoneの新製品のLTPO方式OLEDパネル出荷を狙うものと見られる。関連機器の搬入後、生産ラインの安定化、顧客の承認まで、通常6ヶ月が必要である。これに先立ち、装置の製作は、発注から6ヶ月ほどかかる。

 

LGディスプレーは、今回に酸化膜工程を追加する既存のE6-1とE6-2の生産ラインの投資が終われば、E6-3ラインも追加投資するとみられる。E6-3の生産ラインもアップル向けに15K規模で構築する予定だ。

 

現在、Appleは、来年のiPhoneの新製品4種のうち、上位モデルの2種にLTPOを適用する計画であることが分かった。サムスンディスプレイにも忠南牙山湯井のA3の生産ラインの一部をLTPOに切り替えることと思われる。ここでの生産能力は、基板投入基準月で105Kである。サムスンディスプレイは、今年下半期に発売されたサムスン電子のギャラクシーノート20ウルトラのLTPOパネルを適用した。中国のBOEはLTPO方式OLEDパネルでは、韓国のパネルメーカーとまだ格差がある。