LGディスプレの10.5世代の有機ELラインは、投資資金と蒸着装置がカギ、稼動時期は2020年


2018-05-16 the bell

 

LGディスプレー(LGD)が、世界最大の基板サイズのディスプレイ工場P10の生産品目を、10.5世代OLED(有機EL)パネルで確定した。越えなければなら課題としては、「資金調達」と「蒸着装置」が挙げられている。

 

LGDは、今回の決定で必要な投資資金が増えた一方、現金の資金は今年のLCD(液晶)業況が悪化し減少した。したがって、今年の投資計画の調整が避けられない。大型OLED工場の重要装置である蒸着装置をLGDに独占的に供給しているヤスが、10.5世代サイズのために開発に成功するかもカギだ。

 

15日、ディスプレイ業界によると、LGDは先月末、P10投資項目を10.5世代LCD(液晶)からOLEDに変えたので、有機ELの生産能力(キャパ)も従来の月3万枚(30K)から月4万5000枚(45K)と50%拡大する。

 

LGDは、昨年7月に20兆ウォンのOLED投資計画を明らかにしP10には、5兆ウォンを投入するとした。P10キャパが既存の計画比50%増のことを勘案し、単純計算すると、追加で必要となる資金は2兆5000億ウォン水準になると思われる。

 

他の費用負担もある。OLED工程は、LCDに比べ、基板に薄膜を成膜する工程数が多く、必要な製造装置も増える。このほか、LCD工程の一部の発注取り消しをすることにした協力装置企業に対して、キャンセル料を支払わなければならない。LGDは、現在のLCD向けの発注装置のうち、OLED用にも互換性のあるバックプレーン(backplane)機器などを除いて、残りの装置は発注をキャンセルしている。

 

一方、LGD資金事情は業績悪化でギリギリの線になった。LGDは、LCD価格の下落が継続して、今年第1四半期は6年ぶりに1000億ウォンに近い営業赤字を記録した。年間の償却前営業利益見通しも従来の5兆ウォン台後半で4兆ウォン台序盤で1兆5000億ウォン以上減少した。

 

証券業界では、LGDが他の投資を減らして10.5世代に対応するという戦略を組んでいると把握している。LGDが投資予定の事業は、中国広州8世代OLED工場と国内坡州6世代E6ラインである。最近はさらに、国内の8世代LCD工場をOLEDに変える転換投資も検討し始めた。

 

資金問題に加え蒸着装置の確保もカギだ。蒸着装置は、OLEDパネルの性能を左右する重要装置で、国内の機器メーカーのヤスがLGDに独占的に供給している。ヤスはLGDがゴールデン歩留まりの確保に成功した国内P9 の8世代OLEDラインに蒸着装置3台を供給した。3台製造する量は月3万4000枚(34K)のレベルである。

 

証券業界では、ヤスが10.5世代の量産は問題がなく、できるだけ早いうちに製造するという立場を見せていると伝えた。ただしヤスは公式回答は避けた。ヤスの関係者は「納品が行われていない製品については言及するのは難しい」と述べた。

 

一方、LGDは10.5世代OLEDラインの稼動時期を2020年にしていることが分かった。量産が立ち上がらない場合は、2021年に遅らせる可能性もある。

 

 

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LGディスプレイの有機ELテレビ向け11マスクの酸化膜TFTの製造工程(出典はUBI Research発刊の、最新のAMOLEDプロセス工程を解説した「AMOLED Manufacturing Process」レポート)