LGディスプレイ、HPにフォルダブルノートブックOLEDパネルを供給


2022.04.01  THE ELEC

 

LGディスプレイがヒューレットパッカード(HP)にフォルダブルノートブックOLEDを供給する。LGディスプレイのフォルダブルノートブックOLED量産供給は、2020年のレノボフォルダブルノートブックパネルに続いて2番目だ。LGディスプレイはアップルとフォルダブルOLED開発プロジェクトも進行中だ。

 

1日業界によると、LGディスプレイがHPに供給するフォルダブルノート型有機EL(OLED)パネルを第3四半期量産する計画だと把握された。この製品は拡げれば17.0インチ、折れば11インチ台画面となる。画面が中に折れるインフォールディング方式パネルであり、解像度は4K(3840x2160)だ。

 

LGディスプレイが該当フォルダブルパネルを第3四半期に量産すれば、HPのフォルダブルノートブック完成品は今年末か来年初めに発売されると予想される。

 

LGディスプレイが今回HPに量産供給する17インチフォルダブルOLEDは、今年初めCESで公開された製品と同様のパネルと推定される。今年のCESでLGディスプレイは、インフォールディング方式の17インチフォルダブルOLEDを公開し、この製品をノートパソコンやタブレット、ポータブルモニターとして活用できると説明した。また、トータルタッチのソリューションディスプレイを通じて、一般タッチとペンタッチの両方をサポートし、画面が折れる部分にしわ(crease)がほとんどないとも明らかにした。

 

LGディスプレイがフォルダブルノートブックパネルを量産供給するのは今回が2番目だ。これに先立ち、2020年末に発売された世界初のフォルダブルノートブックのレノボの「シンクパッドX1フォールド」パネルもLGディスプレイが量産供給したことがある。シンクパッドX1フォールド画面サイズは、広げたとき13.3インチ、折りたたんだとき6.2インチだった。解像度は2048×1536であった。この製品のカバーウィンドウは透明ポリイミド(PI)フィルムを適用した。当該透明PIフィルムはコロンロンダストリーが納品した。

 

今年、LGディスプレイがHPに納品するフォルダブルノートPCのOLED量は、数千台から1万台以内と推定される。これまでの2020年~2021年の2年間に、LGディスプレイがレノボに供給したフォルダブルノートブックパネルの量も2万台、一年では1万台内外にとどまったことが分かった。昨年、全世界のノートパソコン出荷量2億6000万台に比べると、僅かな水準だ。

 

しかし、LGディスプレイの立場では、レノボに続いてHPにフォルダブルOLEDパネルを納品し、現在アップルと進行中のフォルダブルOLED開発プロジェクトに準備できる効果が期待できる。中小型OLED市場で大型顧客会社を保有するサムスンディスプレイとは異なり、LGディスプレイは中小型OLED主要顧客社がアップルであり、一種の「テストベッド」が必要だ。

 

現在、LGディスプレイはアップルとカバーウィンドウでウルトラシングラス(UTG)を適用するフォルダブルIT製品(タブレット・ノートブックなど)用OLED開発プロジェクトを進行中だ。アップルは、フォルダブルiPhoneよりはフォルダブルIT製品に関心が多かったという。

 

プレミアムスマートフォン市場で成長が止まり、フォルダブルフォンが唯一の突破口であるサムスン電子とは異なり、アップルはOLED iPhoneでフラッグシップスマートフォン市場を掌握してフォルダブルiPhoneの発売を急ぐ理由がない。iPhoneが6.68インチまで大きくなった状況でフォルダブルiPhoneを発売すると、既存の7~8インチ台のiPadミニ(タブレット)の立地が曖昧になる。

 

業界の一部では、Appleが自社製品がお互いに市場を浸食しないように製品群を再構成した後にフォルダブルIT製品を発売するという展望を出す。それに先立ち、フォルダブル製品の新しいユーザー経験提供に対する期待が確保されなければならず、LGディスプレイはフォルダブルパネル量産経験を蓄積しなければならない。