LGディスプレイも老朽化した液晶ラインを停止し、有機ELラインに改造


2016.09.18 ET News

サムスンディスプレイに続き、LGディスプレイも老朽化し、液晶表示装置(LCD)の生産ラインの稼動を停止している。いくつかのEL有機(OLED)ラインに転換して、スマートフォン、自動車、照明などの中小型OLED用の生産能力を拡充する。

18日、業界によると、LGディスプレイは慶北亀尾に位置する第2世代(P2)、第3世代(P3 )ラインを今年の年末から順次に停止する予定である。来る4四半期にはP2ラインをはじめとして、来年上半期にかけて順次に稼動が中断されると予想される。第6世代(P6)はいくつかのラインを停止し、OLEDに切り替えたり、空きスペースを活用してOLEDを追加生産する案を検討している。 

LGディスプレイは、1年前から第2世代と第5世代ラインの生産能力を削減してきた。このうちP2ラインは稼動を中断できるようにした状態で、最終的な中断日の決定を準備している。P3も昨年から稼働を減らしている。 P6はラインの一部をOLEDに転換している。低温ポリシリコン(LTPS)LCDを生産するラインの一部をプラスチック基板のOLEDに変えている。


<LGディスプレイの2016年第2四半期での基準生産能力推移(資料= LGディスプレイ)>

老朽化したLCDラインの稼動を中断することは効率のためである。ほとんど1990年代末から2000年代初頭に稼動を始めて、基板規格が小さく設備が老朽化した。タブレットPC、ノートPC、モニタなどの中小型パネルを中心に量産する、低価格に属するTNパネル中心だ。 

先にサムスンディスプレイもTNパネルを中心に、老朽化したLCDラインの稼動を中断した。TNパネルは価格が安く、応答速度が速いのが利点だが、IPS方式よりも解像度、視野角、色の表現範囲で劣るからである。 

LGディスプレイは老朽ラインの稼動を停止し、中小型OLEDラインに転換する予定である。最も急速に停止が予想されるラインは、P2とP3である。業界では、最終的なダウンタイムを控えたP2をはじめと早ければ4四半期から稼動を順次停止すると見ている。 P6はLTPS LCD生産ライン(AP2)を残して残りをプラスチックOLEDに切り替えることと推測される。P6-1は、2004年第3四半期、P6-2は、2009年第1四半期の生産を開始した。P6-1では、モバイル・モニター・タブレットPC、P6-2ではTV・ノートPCとモニター用LCDをそれぞれ製造した。LTPS LCDを製造するAP2は、P6-2ラインの内側に位置した。 

LGディスプレイは、初期LCDを生産してきた亀尾工場だけを、大きな枠組みで中小型OLED生産だけに変貌させる計画である。5世代P5ラインはOLED照明用設備に切り替えた。1400億ウォンを投資し、月1万5000枚の生産規模5世代ラインを構築している。量産は来年上半期中に開始する予定である。 

業界の専門家は、「今までに世界のディスプレイ市場では、このような旧世代LCDラインの生産能力を削減したことがなかった」とし「今年からは、韓国、日本、台湾で、すべての収益が出ない第2~3世代ラインの稼動を積極的に中断している」と伝えた。 彼は、「中国でも、第6世代LTPS のLCDに投資をしただけで、今年に続き来年も7世代以下の生産ラインのうち、収益性が低く、老朽化したラインを中心に生産能力削減しようとする」と予想した。 LGディスプレーの関係者は、「P2、P3ダウンタイムを検討することは確かだが、詳細日程はまだ確定していない」とし「スマートフォン、自動車などの中小型OLEDに特化した設備で、欧米の老朽化したLCD設備切り替えが大きい方向」と明らかにした。この関係者は、「既存の生産人員はOLEDラインに配置転換する予定」とし「別の構造調整計画はない」と付け加えた。