LG化学が成都に材料技術センターを設立し、中国のOLED材料市場を攻略


2018-06-23 電子Fans

 

LG化学は、中国のOLED材料市場への参入を目的として、BOEの工場のある成都で、OLED材料技術センターの設立を進めている。LG化学が海外のOLED材料技術センターを設立したのは今回が初めてである。LG化学が中国のOLED市場の拡大に注目していることがわかる。

 

LG化学は、18日の業界ニュースによると、成都にOLED材料技術センターを開設する。成都でLG化学がOLED蒸着装置を購入しようとしているという情報もある。蒸着装置は、OLED製造で重要な装置であり、OLED材料特性を評価するためのR&D用として使用される。

 

 

LG化学が今後にBOEへOLED材料の供給を開始するとの情報がある。業界に精通している人は、「BOEは次世代のOLEDパネル材料にLG化学の電子輸送層(ETL)材料を使用する可能性が高い」と理解している。

 

LG化学が韓国以外にOLED材料技術センターを設立したのは初めてである。特に成都を選定したことで、LG化学はBOEとの協力を強化し、OLED材料の供給を開始する意向を示したと言える。

 

成都にはBOEの最初のフレキシブルOLEDパネル工場がある。これはG6基板のフレキシブルOLED B7生産ラインで、投資額は465億元である。B7は、G6ガラス基板用に月に48,000枚の生産能力を備えている。中国最大の中小型OLED生産ラインとして、昨年下半期に正式に生産を開始した。

 

これまで、LG 化学は主にLGディスプレイにのみOLED材料を供給していた。LGの有機ELパネルの実用化に伴い、ETL、赤色発光ホスト材料、HTL(Hole Transport Layer)の供給が開始され、材料事業が拡大している。しかし、成長を遂げるためには、LGディスプレイに頼るだけでは無く、事業規模を拡大するためには、海外市場を開拓し、売上を拡大する必要がある。

 

このため、LG化学は中国市場を目指している。しかし、これまでは中国のパネルメーカーにサンプルを送る段階にとどまっている。OLED材料事業はパネルメーカーとの協業が必要であるが、地理的な制約から、中国での事業拡大の機会は見つけられていなかった。この突破口を獲得するために、LG 化学は中国に研究所を設立することを検討し始めた。市場を捉えて事業規模を拡大するために、顧客のパネル工場の近くに研究機関を設立し、製品性能評価と改善点を見つける戦略を立てている。出光興産などのOLED材料のグローバル工場の設立や、中国の研究機関の設立と同じ内容である。

 

LG化学は、現地化戦略で中国市場に参入すれば、中国のOLED材料市場の獲得の機会を得ることができる。BOEに加えて、VisionoxやHuaxing Optoelectronicsなどの中国のパネルメーカは、OLED製造ラインに投資している。OLED材料の需要は、OLEDパネルの生産量が拡大するにつれて増加する。BOEはLGとの強力な競争相手であることを考慮すると、LGの材料は中国のOLEDパネルメーカーの競争力を強化する助けとなる。

 

LG化学は、「LG化学は中国成都にOLED材料技術センターの設立を積極的に検討しており、OLED材料をBOEに供給することに取り組んでいる」と述べた。