LPKFのレーザーガラス加工技術、UTGより厚いガラスも折り畳む


2020年 7月 24日 UBIリサーチ

 

今年下半期に発売されるサムスン電子の「Galaxy Z Fold2」にはSペンが適用されるという期待があったが、結果的には年を引き渡すことになった。

 

現在、三星電子の「Galaxy Z Filp」に適用されているカバーウィンドウ素材であるUTGは30 um厚さで、商用化されている一般のカバーガラスの厚さの300 umより1/10水準に薄い。 フォルダブルフォンに薄い厚さのUTGを使用して柔軟性の確保が可能だったが、フィルムのような特性によってSペンを適用するには耐久性に欠けるという問題が発生した。

 

これを保安するためにはUTGの厚さをさらに厚くして柔軟性も持つ技術が必要となると見られる。 ガラスの折れる部分を加工して厚い厚さでも柔軟性を確保する方式が代表的だ。

 

最近、ドイツのハイテク会社であるLPKFで開発して特許を出願したLIDE(Laser induced deep etching)技術が良い例になるものと予想される。 この技術はレーザーを利用した微細領域で形質の変更と化学的処理をして2段階の工程で、微細な亀裂なく30 umから900 umまでさまざまな厚さのガラスを加工することができると知られている。

 

LPKFはカバーウインドウガラスが折れる部分をレーザーで微細加工してガラスに柔軟性を付与して、微細パターンに反射率マッチングが可能なポリマーを使用してパターンが見えないように設計が可能だと説明している。

 

LPKFでLIDE関連別ブランドのVitrionのユーチューブの映像(https://youtu.be/Vh3rU4LRHaw)を見ると、500 um厚さを持ったカバーガラスをパターニングして1 mmの曲率半径を確保したことを確認することができる。

 

こうしたガラス加工技術により、今後は現在よりも厚いカバーガラスがフォルダーブルフォンに適用され、Sペンもサポートできるかどうかの帰趨が注目される。

LPKFのフォルダーブルOLED用カバーガラス、Source: LPKF
LPKFのフォルダーブルOLED用カバーガラス、Source: LPKF