QLEDへの積極的な投資が、QLED商用化への近道となる


2016年 10月 19日 UBIリサーチ

 

10月14日、ソウルの中小企業会館で開催された「QLEDとソリューションプロセス(Solution Process OLED)の実用化の可能性に対する分析セミナー」でソウル大学のイ・チャンヒ教授と韓国セラミックス研究院のバン・ジウォン先任研究員がQLEDの現状況と開発動向、争点について意見を共有した。

 

イ・チャンヒ教授は、QLEDがOLEDより半値幅(FWHM)が20〜30nm程度狭く色純度が高いし、製作時の精度も高いレベルだということから色再現性で有利であり、現在のQLED用発光材料の効率がOLEDを追いつくほどのレベルまで到達したと明らかにした。しかし、QD(Quantum Dot)発光材料の寿命に対する安定性確保と、重金属物質であるカドミウム(Cd)を使用しないCd-free QLEDの技術的な課題が重要であるとして言及し、「業界からの資金と人材投資規模によって、商用化時点が5年、3年早まることも有りうる。」と述べ、QLEDへの投資が商用化への近道であることを強調した。

 

韓国セラミックス技術院のバン・ジウォン先任研究員もQLED用発光材料の発光効率と安定性(stability)、毒性(Non-toxic)について、一般に共通した認識を明らかにしてから、QDを使用し、blue-LED BLU(Back Light Unit)にQD CCL(Color Change Layer)を適用したQD-LCD、WOLEDにQD CCLとカラーフィルターを適用したOLED、blue-OLEDにカラーフィルターなしでQD CCLを適用したOLEDなど、QD 材料の活用を様々な方向から検討していることを発表した。

 

このように、QLED関連学界でQLEDの可能性を積極的に論議したことに対し、UBIリサーチのイ・チュンフン代表は、QLEDと関連し、「QLEDが開発されている分だけにWOLEDも開発に努めることとなり、WOLED技術が今のボトムエミッション(bottom emission)方式からトップエミッション(top emission)方式に進化し輝度がさらに向上することになれば、QLEDのプレミアムTV市場への進入がますます難しくなるだろう。」と述べ、「新しい技術が市場に進入することができる場合は、商用化されている技術と比較し、性能と効率、コストなど、どのような面で新たな技術が良いのかを検討してみなければならない。」と発表した。