中国企業は開発中のインクジェット印刷の有機ELディスプレイの新技術などを展示


2019.05.16  ET News

 

中国がインクジェット印刷の有機EL(OLED)、ローラーブルOLED、液晶(LCD)ベースのミニLEDなどの新技術を大挙展示した。ミニLEDのモニタに続いてTV、ノートパソコン、スマートフォンまで適用して、LCD産業の持続の可能性を提示した。性能を改善したフォルダブルOLEDはもちろん、モバイル機器用ローラーブOLEDまで展示した。まだ初期の研究開発段階に見えるが、様々な試作品を積極的に公開し、世界最先端の技術の流れを主導しているということを示そうとした。 

 

14日(現地時間)、米国サンノゼのマッケンナリーコンベンションセンターで開幕したSIDディスプレイウィーク展示会でBOE、Visionox、天馬、チャイナスターなどの主要な中国のパネルメーカは競って新技術を適用した最新のプロトタイプのパネルを展示した。 

 

BOEは、大型ディスプレイから小型まで、新しい技術を展示し、技術力を誇示した。最も有利な展示ブースの位置まで先取りした。 BOEはフルHD解像度12.3インチのローラーブOLEDプロトタイプを示した。中小型機器にローラーブOLEDを適用したのは初めてだ。観覧が直接ローラーブを利用することができず、画像や動画をデモしていないので、かなりの初期段階に見られる。14インチのQHD解像度のスマートスクロールも一緒に展示しており、画像や映像を示した。 すぐに商用化を控えたQXGA 7.7インチフォルダブルOLEDは、画像を中心に示した。曲率半径5R、10万回曲げ回数をサポートする。 インクジェット印刷を適用した55インチのTVも公開した。80ppi(インチあたりのピクセル数)で高解像度ではないが、OLEDの強みである深い黒色と比較的鮮明な画像を実現した。 

BOEがSIDディスプレイウィーク2019で公開した55インチのインクジェットプリンティングOLED(写真=ET News)

 

天馬は解像度403ppi級で4.92インチフルHDの印刷方式OLEDを初めて公開した。また、台湾プレイナイトライドとコラボレーションした7.56インチの透明マイクロLEDも展示した。透明度60%と114ppiを実現したが、比較的透明度が落ちて見えるという評価を受けた。 

 

6インチのモバイル機器にミニLEDを適用する試みもあった。低温多結晶シリコン(LTPS)LCDにミニLEDを適用しHDR(ハイダイナミックレンジ)の鮮明な画面を実現した。

 

チャイナスターは、インクジェットプリンティング方式で製作した31インチUHDの解像度144ppi OLEDを展示した。QD-OLED(量子ドットの有機EL)で製作した6.6インチのパネルも同時に展示した。IGZO(酸化物)ベースの3.3インチのマイクロLEDも公開した。

チャイナスターがSIDディスプレイウィーク2019で公開した6.6インチQD-OLEDプロトタイプ。

 

Visionoxは内側折りたたみと外側折り畳みが両方可能なダブルサイドフォルダブルOLEDを展示した。曲率半径5Rで20万回以上曲げて展開することができる。アウト折りたたみ用OLEDは曲率半径1.6Rを実現し、中国パネルメーカで公開したフォルダブルOLEDの中で最も高いレベルを達成したとしている。

 

展示場を見て回った韓国内外のディスプレイの専門家は、中国が展示した主な新技術製品がかなり初期のバージョンと指摘した。韓国や日本を追撃するほどの技術水準ではないという評価が主だった。  ある関係者は、「BOEのローラーブルの場合は、何の映像のデモンストレーションしていないなど、全般的に新技術の成熟度が低く見せた」と指摘した。 別の関係者は、「モバイルプロトタイプは完成度の面で大きく目立たなかったが、インクジェット印刷やミニLEDはかなり関心を持って準備したものとし、今後の市場の変化を見守ることだ」と語った。 

 

LGディスプレーはリアルRGB方式で3500ppiを実装したAR(拡張現実)パネルの試作品を公開し、高い関心を受けた。バックプレーンにシリコンCMOSを採用した。780ppiを実装し、モバイル用のOLED限界を超えた5.5インチUHDパネルも示した。ブース正面には、65インチのローラーブルOLED TVと88インチ8K OLEDを配置して、差別化された技術力を強調した。