Visionox、IT用第6世代基板用の縦型蒸着装置をアプライドマテリアルズに発注


2022年10月24日 UBIリサーチ

 

UBIリサーチが月2回発刊している[中国動向レポート]によると、VisionoxがV3ラインにR&D用にIT用第6世代基板用の縦型蒸着装置をアプライドマテリアルズに発注したことが判った。

 

VisionoxのV3ラインはflexible OLED量産用に月30K規模で運用されており、今回の投資はV3敷地の空きスペースにIT用にセルやモジュール工程用装置の投資なしで、蒸着工程装置のみの投資が実行されたものと見られる。

 

今回Visionoxで投資した第6世代縦型蒸着装置は、垂直蒸着の技術力確保と今後の8世代以上での量産の可能性を判断するための先行投資と判断される。従来のOLEDラインでの蒸着工程は水平蒸着工程で行われているが、キャリアガラスとFMM制御問題によりモバイル機器用の6世代ラインではhalf-cutにFMM、TV用8世代ラインでは基板にオープンマスク技術が適用されている。

 

垂直蒸着は水平蒸着よりもガラスとマスクが重力の影響を受けにくいため、基板ガラスを切らずに蒸着ができ、より大きな生産力を確保できるという利点があるのに対し、まだ量産性が不明であるという問題がある。 

 

Visionoxが今回の投資を通じて垂直蒸着に対する技術力を確保するならば、今後half-cutなしで8.5世代IT向けの新規ライン投資も期待される。

 

Visionoxが発注した垂直蒸着装置の内容、Source:Chinabidding.com
Visionoxが発注した垂直蒸着装置の内容、Source:Chinabidding.com