エキシマレーザー、2019年の世界レーザリフトオフ(LLO)市場での採用が復活


2020.01.27 ET News

 

昨年の中小型フレキシブル有機EL(OLED)の「レーザリフトオフ(LLO)」向け市場で、エキシマレーザの採用がDPSS(ダイオード励起固体)レーザを抜いた。韓国を代表するディスプレイメーカーがDPSS方式からエキシマ方式に重心を移動し、中国のパネルメーカの購入も当初はDPSSの導入を検討したが、安定性などの理由から、エキシマ方式を再採用したものと解釈される。

 

27日、業界によると、エキシマレーザを供給するコヒーレントは2019年に国内LLO機器メーカーと協業して、中国のパネルメーカが発注した第6世代ハーフカット用LLO機器の全量を受注した。

 

LLOはフレキシブルOLEDディスプレイを製造する重要な工程の一つである。基板として使用するポリイミド(PI)フィルムをキャリアガラスで剥がす際にLLO装置を使用する。レーザーを照射し、キャリアグラスとPIフィルムを分離する過程でフィルムの特性が変化したり、破損していないことが重要である。

 

韓国市場では当初はエキシマ方式のLLO機器を使用していたが、フレキシブルOLEDディスプレイ市場が開かれ後には、いくつかの生産ラインにDPSSレーザーが使用された。この影響により、中国のパネルメーカーの装置選定もDPSS方式を考慮し、エキシマレーザーとDPSSレーザーを比較検討した。エキシマレーザを供給するコヒーレントはコストは下げ、生産性は高めた新方式を装備メーカーと発表し、中国市場での宣伝を行った。

 

コヒーレントは、まず、キャリアグラスからフィルムを除去する際に必要な瞬間だけレーザーパルスを生成する「パルスオンデマンド(Pulse on Demand)」技術を新たに適用した。必要な瞬間だけレーザーパルスを供給受けるので、レーザーパルス電力を半分に減らして消耗品のコストを大幅に削減し、寿命を延ばすことができる。

 

LLO工程に特化したモデル「UV-ブレード(UV-Blade)」も披露した。過去には、ELA(レーザーアニール)工程用の製品と混用したが、コスト削減のためにLLO専用モデルであるUV-ブレードを導入した。

 

UV-ブレードはLLO工程に最適化された。適用分野に応じて、最大1000㎜まで様々なラインビームを構成することができる。レーザー管の寿命を延長する概念を提供した。パネルメーカーが運営費をさらに削減するようにした。

 

コヒーレント関係者は「一部の企業でDPSSレーザーがエキシマレーザよりも割安と予想されたが、パルスオンデマンドを適用した新しいUV-ブレードは、LLO工程ではコヒーレントのLLO設備ランニングコストが競争メーカーのレーザーに比べ20%から50%まで割安だ」と説明した。

 

また、「最近の透明ディスプレイには必須である透明PIでは、エキシマレーザにのみ適用することができるという結果も出ている」とし「今後数年間ではエキシマレーザは、まだ最先端LLOシステムになるだろう」と強調した。

 

コヒーレントUVB1000(写真=コヒーレント)
コヒーレントUVB1000(写真=コヒーレント)