カティーバのQDインクジェット装置をサムスンディスプレイに納入


○2022.11.24 The Elec

 

米国のインクジェット装置メーカーのカティーバは、同社のQD-OLEDインクジェット装置が8Kパネルの製作に使用されると明らかにした。カティバと共にインクジェット装置を製作するHBソリューションも、8K実装が可能であることを強調している。現在、サムスンディスプレイはセメスのインクジェット装置で4Kパネルを量産中だ。

 

24日、業界によると、Kativaは17日(現地時間)、自社ホームページでHBソリューションを通じて顧客にQuantum Dot(QD) - 有機EL(OLED)パネル用のインクジェット装置「イールドジェット・ジャービス」(YIELDjet Jarvis)を今月に出荷すると明らかにした。対応するインクジェット装置は、サムスンディスプレイの大型QD-OLEDのQD色変換層形成に使用される。

 

カティーバは「QD-OLEDディスプレイ量産用の次世代8.5世代インクジェットソリューション」(next-generation G8.5 inkjet solution for high-volume production of QD-OLED displays)を今月出荷するマイルストーンを立てる」と説明した。また「(カティーバ)インクジェット装置は8Kテレビや高解像度モニターに使用されるだろう」と展望した。現在サムスンディスプレイが量産中のQD-OLEDはすべて4K対応製品だ。これら4K製品のQD色変換層インクジェット装置はすべてサムスン電子の子会社であるセメスの装置だ。

 

カティーバ発表のようにサムスンディスプレイが8KレベルのQD-OLEDパネルを作るには、現在のセメスのインクジェット装置では対応が難しいという。同じ画面サイズで4K(3840x2160)よりも解像度の高い8K(7680x4320)を実現するには、QD色変換層インクをより細かく正確に落とさなければならない。

 

カティーバはそのインクジェット装置が「量産用」だと言及し、サムスンディスプレイがHBソリューション側にその装置を発注したという点で、実験室レベルで8K実装は検証が終わったと推定される。サムスンディスプレイは、カティーバ装置の搬入後に8Kパネルの量産適用可能性を継続的に検討することが予想される。近年、専門家向けの製品市場で高解像度モニターの需要が高まっている。

 

インクジェット装置の重要技術は、コニカミノルタが作るヘッドを制御するアルゴリズム技術だ。ヘッドを通って落ちるインクが正確な位置に均等にコーティングされるように制御するアルゴリズムでは、カティーバが強みを持っている。HBソリューションは、カティバ装置の搬入後メンテナンス作業を行い、長期的にはインクジェット装置を生産する計画だ。

 

一方、カティーバの発表日である11月17日より前の11月1日には、HBソリューションがサムスンディスプレイと145億ウォン規模の装置供給契約を結んだと明らかにした。この契約終了日(納入日)が今月(11月)30日までと短いのは、カティーバとHBソリューションの装置製作がすでに終わったためと見られる。