サムスンとLGディスプレイのそれぞれが、関連会社と協力して薄膜封止(TFE)インクジェット装置の国産化を目指す


2017.02.15 ET News

サムスンディスプレイとLGディスプレイが、グループ系列会社と手を握ってインクジェット印刷技術を適用した多層薄膜封止(TFE)装置の国産化を推進していることが確認された。インクジェットベースのTFEは、米国カティーバが唯一の量産用装置を開発、供給している。 

15日、業界によると、LGディスプレイはLG電子(PRI素材・生産技術院)が開発したインクジェットベースTFE機器を亀尾(グミ)のE5ラインに設置して試験稼動を開始した。LGディスプレイがインクジェット印刷技術を中小型フレキシブル有機EL(OLED)に適用したのは初めてである。 サムスンディスプレイはサムスン電子の子会社のセメスターが開発したインクジェットベースTFE装置をA3ラインに搬入した。 


<多層薄膜封止技術(左)とバリアフィルムを用いた封止技術(右)(写真=融合政策研究センター)>

TFE装置は、フレキシブルOLED歩留まりを決定する重要な装置である。水分と酸素に脆弱な有機物を保護するために、ナノメートル(㎚)レベルの薄い膜を複数層形成する封止工程を必ず経なければならない。厚さが均一で、水分と酸素透過性が低く、同時に光透過率が高くなければならない。

LGディスプレイは、これまでのインクジェットではなく、化学気相蒸着(CVD)方式を用い、無機膜と有機膜の複合膜を形成する方法を使用した。これとは異なり、大型OLED TV用封止技術では、ガラスで封止し膜を形成したり、水分を吸収する成分がある乾燥材を接着したバリアフィルムを有機物前面に付着する接着フィルムを適用したりする。 LGディスプレイがフレキシブルOLEDに新たにインクジェットベースのTFE装置を導入したのは、薄膜封止性能を高め、性能と歩留まりを向上させるための試みとして解釈される。