サムスンディスプレイ、2019年に最大2000億円のQD-OLEDライン投資... 2年ぶりに投資再開


2018.12.25 ET News

 

サムスンディスプレイが2019年に量子ドット- 有機EL(QD-OLED)の試験生産ラインを構築する。投資規模は最大2兆ウォンに達すると予想される。2016年でのA3新工場の投資から、2年ぶりに投資を再開するものであり、注目される。 

 

25日、業界によると、サムスンディスプレイは、最近、このような内容を骨子としたQD-OLED事業計画を策定し、外部投資家と共有した。 

 

サムスンディスプレイはQD-OLEDパイロットラインの投資規模を2019年3〜4月中に確定した。会社が予想した投資額は1兆〜2兆ウォンだ。 

 

パイロットラインは、第8世代液晶表(LCD)を生産するL8-1ラインに設ける。既存の空間と設備を最大限に活用してパイロットラインを初期設備投資に必要な時間とコストを最小限に抑えている。 

 

8世代QD-OLEDパイロットラインの生産能力は月に2万3000〜2万4000枚規模と予想される。現在L8-1ラインでは、主に48インチ・55インチアモルファスシリコン(a-Si)LCDを生産している。生産能力は月15万枚規模だ。 

 

QD-OLEDは、青色OLEDを蒸着して、赤と緑をインクジェットプリンティング方式のQDカラーフィルタを実装された次世代ディスプレイ技術である。すでに商用化されたホワイトOLED(WOLED)方式よりも、色再現力が高く、より豊かな色を表現することができていることが分かった。サムスンディスプレイによる世界初の試みである。サムスンは、QD材料技術を積極的に活用して、次世代の大型ディスプレイ市場で優位を占めという戦略だ。

 

これまでディスプレイ業界は、サムスンディスプレイが来年中にQD-OLEDパイロットラインに投資するかどうか、投資規模や日程などを注視してきた。サムスンディスプレイが今年、中小型OLEDの新規投資をすることなく、設備投資市場が急激に萎縮した。業界は新しい大型ディスプレイ投資の可能性を考察するしかない状況になった。

 

サムスンディスプレイは、パイロットラインの稼動を準備しながら、技術力を最大限に引き上げる方針だ。発光源の役割をする青色OLEDの寿命を拡大するために、材料技術とOLED構造を一緒に改善している。初めて試みるインクジェットプリンティング技術の性能と信頼性を一緒に高めることも課題だ。 

 

パイロットラインを造成する第8世代の蒸着装置、インクジェット印刷装置、薄膜封止装置、搬送装置、酸化物TFT用製造装置などが必要である。すでにサムスンディスプレイは、6世代蒸着装置のサプライヤであるキヤノントッキに第8世代蒸着装置の開発を依頼したことが分かった。インクジェット印刷装置は、カティーバが開発している。

 

ディスプレイ向けの装置業界はサムスンディスプレイが今年の新規設備投資をほとんど執行せず、ビジネスの機会が消えて困難を経験した。来年から投資を再開すると、新しいビジネスチャンスを狙うことができる。 

 

業界関係者は「サムスンディスプレイがパイロットの投資後、正式な量産投資に乗り出すことを期待している」とし「ディスプレイ業況が低迷の中で、新規技術への投資をすれば、市場に活力が回る」と楽観した。