サムスンディスプレイ、「SID 2017」で、画面が拡がるディスプレイなどの先端有機ELパネル技術を公開


2017年5月22日 UBIリサーチ

サムスンディスプレイが世界的に権威があるディスプレイ専門学会「SID(The Society for Information Display)」が主催する「SID 2017」の展示会に参加し、最先端の未来のディスプレイ製品を披露する。

サムスンディスプレイは23日(現地時間)、米国LAコンベンションセンターで開幕する今回の展示会では、画面が拡がる(stretchable)ディスプレイをはじめ、メガネが不要な3D OLEDなど、これまでに公開したことがなかった最先端の未来のディスプレイ製品を展示する。

サムスンディスプレイは、今回のSID 2017に参加して最先端の製品公開および優秀な論文を発表し、独自のディスプレイ技術のリーダーシップと自信を誇示するという戦略だ。

サムスンディスプレイは、画面が拡がる9.1型ストレッチャブル(stretchable)OLEDパネル製品を公開した。ストレッチャブルディスプレイは、画面が弾力的で拡がる次世代ディスプレイ技術としてウェアラブル、IoT、人工知能(AI)、車載用ディスプレイに最適な未来技術に挙げられる。

 

既存のフレキシブルOLED画面を曲げたり折ったり巻物のように巻くなどの変形が可能なものに比べて、ストレッチャブルOLEDは二方向以上への変形が可能な点が特徴である。実装の難易度がはるかに高い技術で、業界では、フレキシブルディスプレイ技術の終着点と呼ばれる。


今回展示された製品は、画面を上から押すと、ゴム風船を押したように、画面がくぼみ、再び所定の位置を見つけるながら本来の平らな形に戻る。

逆に下から押しても画面が上に拡がり、さらに回復する伸縮性を持っている。

サムスンディスプレイは安定した研究開発を、ディスプレイを押したとき、最大12mmの深さで画面が拡がりながらも、既存の画質はそのまま維持する高レベルのストレッチャブル技術を世界に先駆けて実現した。また、サムスンディスプレイは、立体映像関連未来技術である「グラスレス3D OLED」製品を展示する。5.09型サイズの本製品は、見る人の位置に応じて、少しずつ異なって見える実物の姿をディスプレイ上で実装し、よりリアルな3次元映像を表現する。

特にOLEDの無限大に近いコントラスト特性のおかげで、LCD製品よりも自然な立体映像を示す。この技術は、今後3Dポップアップブック、3Dゲーム、VRなどの3次元映像技術が必要な様々な分野で活用することができるものと期待される。

一方、今回の展示には、サムスンディスプレイの先進OLED技術を比較体験できるブースが設置される。3.5型サイズの858ppiでVR機器に最適化された製品をはじめ、ソフト画質のために120Hzで駆動する製品とウェアラブル、タブレット用OLED製品が展示される。また、さらに改良されたOLEDの画質とHDR(High Dynamic Range)、低消費電力技術なども一緒に確認することができる。

サムスンディスプレイは独自のフレキシブルOLED技術がスマートフォンのディスプレイデザインの発展を導いた点を紹介した「デザインの革新」のコーナーも設けている。

2013年に世界初のフレキシブルOLED量産に成功した後の最初の携帯電話に適用されたラウンド型OLEDから、最近に画質評価機関であるディスプレイメイトから「エクセレントA +」の最高品質評価を獲得したフルスクリーンOLEDまでに、これまでサムスンディスプレイが培ってきたフレキシブルOLED技術力を一目で確認できるようにした。

また、超低反射POL(偏光板)を適用して、画面の反射を最小限に抑え、色表現力100%(DCI-P3基準)を達成した高画質65型フレームレス(Frameless)LCDカーブ・ド・TVをはじめ、情報伝達効率を極大化したアスペクト比21:9の34型QHD +(3440X1440)LCDカーブ・ド・モニターと144Hzの高速画面駆動が可能な27型FHD(1920X1080)LCDカーブ・ド・モニターも革新的な技術を実装した製品で一緒に展示される。

一方、今回の学会でホン・ジョンホ、サムスンディスプレイの研究者の「画面が拡がるストレッチャブルOLEDディスプレイ」の論文がSID 2017優秀論文(Distinguished Paper)に選ばれた。