サムスンディスプレイ、アップル向けのOLED製造ラインを今月にはフル稼働... 昨年の7倍に増産


2017.08.03 ET News

 

サムスンディスプレイがアップルに供給する6世代フレキシブル有機EL(OLED)7つのラインを今月フル稼働する。iPhone向けパネルの生産能力が昨年で月に1万5000枚のレベルであったが、今年は10万5000枚と7倍に増える。 

 

3日、業界によると、サムスンディスプレイは、今月中にAppleのiPhone用のOLEDを製造する7つのラインの整備を終えて正式稼動する。 

 

サムスンディスプレイは、昨年から今年までにA3の製造設備とベトナムの後工程ラインの建設に多くの資金を使った。例年の設備投資規模は4兆〜5兆ウォン水準だったが、昨年は二倍である9兆8000億ウォンを投入した。今年も上半期だけで8兆7000億ウォンを注ぎ込んだ。 

 

AppleのiPhone用OLEDを製造するA3ラインは、2015年の月1万5000枚の生産から出発した。サムスン電子へ供給するフレキシブルOLEDを主に生産したが、2015年下半期から設備投資が増え、昨年月に3万〜4万5000枚規模での生産能力までに育てた。このうち、アップルの設備は1万5000枚規模にとどまった。 

 

昨年、サムスンディスプレイは、AppleのiPhone用パネルの生産能力を月10万5000枚、サムスン電子をはじめとする中国の顧客への使用分も含めて、月30万枚にするために設備導入を着手した。アップル向けの生産ラインを先に完成し、今月中にフル稼働する。アップルを除いた他の顧客が使用するラインは、今年第4四半期の稼働となる。 

 

ベトナムの後工程ラインは6月末から稼働した。iPhoneのためのパネルの製造も、ベトナムの工場で後処理している。 

 

サムスンディスプレイはA2ラインでリジッドOLEDとフレキシブルOLEDを一部生産する。しかし、iPhone用パネルは、アップル側が要求した適用技術が異なり、A3ラインのみで製造する。

 

アップルの生産ラインを歩留まり100%で稼働率100%でフル稼働した場合、年間6インチパネルで約1億2400万個、5.8インチパネル約1億3000万個をそれぞれ生成することができる。

 

アップルが要求したパネルは、技術難度が高く、収率が低いことが分かった。業界では、サムスン電子のパネル収率が80%以上、アップル用パネルは、約60%の水準であると把握されている。

 

収率60%で稼働率100%を仮定すると、6インチは約7500万個、5.8インチは7900万個をそれぞれ製造することができる。iPhoneの販売台数が年間約2億台で、来年第2四半期から稼働するLGディスプレーE6生産能力が月1万5000枚 大きくないことを考慮すると、2018年のiPhoneシリーズ全量をOLEDで発売するのは難しいと思われる。 サムスンディスプレイは第6世代フレキシブルOLEDの生産能力を増やすために新工場A5(仮称)への追加投資を検討している。液晶(LCD)ラインを、6世代のフレキシブルOLED製造に切り替えたL7-1ラインは月3万〜4万5000枚規模で改造されている。今年第4四半期から順次稼働する。 

 

昨年と今年の世界のディスプレイ市場が成長し、サムスンディスプレイの投資が完了すると、業界の関心は、新工場のA5(仮称)投資するかどうかにあった。サムスンディスプレイは、工場の建設を確定し、今年1兆ウォンの投資を確定した。実際の建物完成にかかる費用は、来年に発生する。