サムスンディスプレイ、「ホールデザイン」の有機ELパネルを量産


2018.11.25 ET News

 

来年初めに発売の「ギャラクシーS10」は、ユニークなデザインで差別化

 

サムスンディスプレイがスマートフォン向けのフルスクリーンを実装する、「ホールデザイン有機EL(OLED)」の量産に入った。来年初めに発売される、サムスン電子の「ギャラクシーS10」のホールデザインフルスクリーンが初めて実装される。 サムスンディスプレイはパネルに穴を開けてフルスクリーンを極大化した、HIAA(Hole in Active Area)の構造を適用したフレキシブルOLEDを量産している。このデザインは、第6世代ラインのA3で生産する。A3では、サムスン電子向けのパネルを生産する2つのラインに、この構造を適用した。 サムスンディスプレイはHIAA構造を適用するためにSFA、フィルオプティクスなどのレーザー関連機器メーカとで、既存のラインにある製造装置の改造を先月に終わった。 サムスンディスプレイは追加の設備投資なしに、装置の改造でホールデザインパネルの量産を開始した。

 

ノッチデザインスマートフォンが市場に登場したから1年しかなく、新規投資よりも機器を改造して、投資コストを削減したとみられる。 新しい設備に投資することなく、既存のレーザー設備を改造し、HIAA構造を適用することができるようにしたと推定する。 

 

サムスン電子が「インフィニティ-O」と名付けたホールのディスプレイは、レーザーで穴を空ける部分に合わせて、有機物の蒸着と薄膜封止工程をしなければならない。ベゼル(額縁)の幅が薄いので、穴とベゼルの間の間隔を最適化させなければならない。

 

サムスン電子とサムスンディスプレイはインフィニティ-Oディスプレイが、当分の間、サムスン独自のデザインで、市場でのデザインの差別化の利点を享受できると期待している。ディスプレイ一方が曲がった「エッジディスプレイ」が相当な期間ギャラクシースマートフォンのユニークなデザインで、差別化要因として作用したかのように、インフィニティ-Oもサムスンのギャラクシーシリーズで差別化させる方針だ。 

 

この理由はノッチデザインよりHIAA構造技術がより難しいからである。まだ6世代フレキシブルOLEDの収率が低い、中国パネルメーカが追撃するのは難しい。リジッドOLEDではなくフレキシブルOLEDのみにこの構造を適用できるので、中国はリジッドOLEDを搭載したスマートフォンで、このデザインを実装することは困難である。液晶表示装置(LCD)は、バックライトユニット(BLU)があるためにHIAA構造を適用するのがより困難と評価されている。

 

サムスンのHIAA開発プロジェクトに精通した関係者は、「中国がリジッドOLEDにこのデザインを適用すると、最終製品の完成度に差が生じるので、新規投資のフレキシブルOLEDに実装するとすれば、量産時期が遅れるしかない」とし「ホールデザインパネルが2〜3年間、サムスンの収益を向上させ、デザインの差別性を確保するには良い戦略になるだろう」と期待感を表わした。