サムスンディスプレイ、リジッド有機ELの製造ラインの稼働率が半分に低下


2018.01.30  ET News

 

サムスンディスプレイのリジッド有機EL(OLED)事業が活気を失っている。スマートフォン市場で低温多結晶シリコン(LTPS)液晶表(LCD)に押されて苦戦している。中国のスマートフォンメーカーが最新のトレンドであるフルスクリーンを実装し、価格がより手頃な価格のLTPS LCDを主に採用しているからである。 

 

30日、業界によると、最近、サムスンディスプレイは、リジッドOLED生産ラインA1とA2のライン稼働率を最大で半分に下げた。 第4世代リジッドを生産するA1は、いくつかのラインの稼動を中断した。5.5世代リジッドを主に生産して、いくつかのフレキシブルOLEDを作るA2ラインも、いくつかのラインを停止するほど稼働率が低下した。来る正月連休まで稼動を中断することにして対策を講じていることが分かった。 

 

リジッドOLEDは、昨年からLTPS LCDと激しく競争し、価格が下落し続けた。台湾、日本、中国でLTPS LCDの生産能力が増加して価格が下がったので、リジッドOLEDには市場で不利な立場になった。過去にLTPS LCDと同様の水準でリジッドOLED製造コストが低くなったが、その後に継続してLTPS LCDの価格が下落し、両陣営間の価格競争が続い激しい。 

 

中国のスマートフォンメーカーが、価格がより安いLTPS LCDを主に採用して、リジッドOLEDの販売量が減少した。これは、スマートフォン製造コストを下げることができ、製品デザイン面でリジッドOLEDと大きな差がないからだと業界は分析した。 

 

業界関係者は、「中国のスマートフォンメーカーにはフレキシブルOLEDの需要が大きかったが、サムスンディスプレイが、アップルとサムスン電子を中心に供給し、この需要を満たしていなかった」とし「デザイン差別が大きくなるフルスクリーンと高解像度を実現できるうえ、価格がより安価なLTPS LCDを好む傾向にある」と述べた。 LTPS LCDの価格が継続して落ちた理由は、昨年、台湾、日本、中国でLTPS LCDの生産量が増加したためである。AUO、BOE、フォックスコン、天馬が6世代LTPS LCD工場を増設し、2016年の下半期から稼動して生産量が増加した。自然に価格が下落し、リジッドOLEDの収益性が悪くなった。業界では、現在のLTPS LCDは生産コスト以下のレベルで供給されていると見ている。 

 

サムスンディスプレイはA2を全量フレキシブルOLEDを製造するように切り替える案も検討しているが、まだこれといった対策は用意していなかったと思われる。LCDラインをフレキシブルOLEDに切り替えたL7-1ラインが第1四半期の稼動を控えており、生産能力が増加するが、最近のA3の稼働率も低くなったからである。フレキシブルOLEDだけでなく、リジッドOLEDの顧客を確保しなければなら二重苦を抱えている。 業界のある関係者は、「A1は、自動車用のOLED中心に転換し、さらにフレキシブルOLED研究開発ラインとして運用する案を検討していると聞いている」とし「リジッドOLEDにノッチカットデザインを適用するなど、付加価値を高める戦略を用意してている」と伝えた。