サムスンディスプレイとLGディスプレイ、OLEDの売上高は、ベトナムのモジュール工場の稼動に依存する


2020年 3月 25日 UBIリサーチ

 

コロナウイルスによってベトナム出張が詰まったサムスンディスプレイとLGディスプレーはチャーター機を飛ばしてOLED生産の遅れを防止するために努力している。

 

モバイル機器用OLEDを製造しているサムスンディスプレイは、ベトナム Bac Ninh地域にスマートフォン用OLEDモジュールラインを運営しており、サムスン電子もスマートフォンの生産工場を Bac Ninhと Tai Nguyenに保有している。サムスンディスプレイは2019年12月にフォルダブルOLEDモジュールライン30Kを設置した。このモジュール工場でサムスンディスプレイは、サムスン電子が今年から販売を開始したギャラクシーZフリップ用foldable OLEDモジュールを生産している。LGディスプレーはOLEDモジュールの生産のために2016年5月にベトナムのハイフォンに総1兆ウォンを投資して、モジュール工場を作り、その年の9月から稼動に入っていった。

 

ベトナム政府はコロナウイルスの拡散を防ぐために韓国からの入国を遮断している。これにより、ベトナムに工場を保有している韓国企業はベトナム出張が難しくなった。しかし、サムスンディスプレイとLGディスプレーは、そのOLEDモジュール工場正常稼働のためにチャーター機を用意してベトナム出張に出ている。

 

サムスンディスプレイがベトナムのモジュール工場の管理が出来なくなったら、サムスン電子は今年最大の力作であるギャラクシーZフリップ生産に支障が発生して、莫大な損失が生じる心配があるし、フォルダブルスマートフォン市場リーディングポジションにも悪影響を受ける。LGディスプレーも緊迫な状況である。昨年第4四半期からLGディスプレーはサムスンディスプレイに続いてアップルにpOLED供給を成功し、今年もアップルの向けpOLED出荷量が増加している状況である。LGディスプレーはアップルにpOLEDを供給することにより、昨年の売上高が大幅に増加した。今年はLGディスプレーのアップル供給量は1500万台水準になると予想される。

 

だから、この両社はOLED事業を守るためにはベトナムにあるモジュール工場管理に必死である。