サムスンディスプレイの次世代OLED材料セットのM11に選ばれた... SDI・徳山・斗山ソリューションス


2020.08.19 ET News

 

サムスンSDI、徳山ネオルックス、斗山ソリューションス(Doosan Solus)などが、サムスンディスプレイの新規OLED材料セット「M11」に、材料が採用されたことが確認された。

 

サムスンディスプレイはM11で新型OLEDパネルを製造し、2021年に発売予定のサムスン電子のギャラクシースマートフォンやAppleのiPhoneに供給する計画である。M11での採用は、材料の売り上げに直結するので、業界の関心が集中している。

 

19日ディスプレイ業界と市場調査会社ストーン・パートナーズによると、サムスンディスプレイは、最近に次世代OLED材料セットである「M11」の材料を選定した。

 

M11は、サムスンSDI、徳山ネオルックス、斗山ソリューションスの名前をあげたことが確認された。具体的にサムスンSDIは、グリーンのホスト、徳山ネオルックスはレッドプライムとグリーンプライム、斗山ソリューションスはA-ETLをそれぞれ供給する。徳山ネオルックスはレッドプライム、緑プライム以外にHTL供給も獲得した。

 

OLEDは、大きく発光層と補助層で構成され、それぞれの素材の組み合わせでOLEDパネルの性能と寿命が決定される。ホストとドーパントは、発光層からの実際の光を出す材料であり、プライムはドーパント・ホストの発光効率を高める役割をする。HTLとA-ETLは、発光を助ける補助層素材である。

 

M11が注目される理由は、サムスンディスプレイの次世代戦略製品と関連が深いからである。サムスンディスプレイはM11を活用して、今年末から新型OLEDパネルを製造する計画だ。このパネルは、サムスン電子、次期フラッグシップスマートフォン「ギャラクシーS21」(仮称)に搭載される。ギャラクシーSシリーズは、スマートフォンメーカーであるサムスン電子の戦略製品で、年間販売台数が3000万台に達する。また、サムスンのスマートフォンを代表するモデルであるだけに、高性能と高価な素材・部品が使用される。M11での採用は、すぐにビジネスの成長の機会となる。

 

M11は2021年に発売予定の新型iPhoneにも適用する計画である。アップルはこれまで、サムスンとは異なる他の材料で構成されたOLED構造を使ってきたが、昨年発売されたiPhoneの11からサムスン電子と同じ材料を使っている。iPhoneの11はサムスンのギャラクシーS10とノート10に入ったM9が適用された。今秋に発売されるiPhoneの12(仮称)は、ギャラクシーS20と同じM10が使われる。

 

サムスンSDI、徳山ネオルックス、斗山ソリューションスは、昨年のM10に続いてM11での採用に成功した。サムスンディスプレイはM11の選定で発光効率と寿命の改善に目標を置いたことが分かった。サムスンSDI、徳山ネオルックス、斗山ソリューションスは、以前より高くなった基準点に対応したものと解釈される。

 

M11はサムスンSDI・徳山ネオルックス・斗山ソリューションスのほか、UDC・デュポン・SFCなどが材料供給メーカとして名前を上げた。UDCは燐光ドーパントの特許を多数保有している米国のOLED材料メーカ、デュポンは世界の化学企業である。SFCは、保土ヶ谷化学、サムスンディスプレイが合作した会社だ。韓国のOLED材料技術が発展しているが、赤と青の材料では、多少の壁が感じられる。

 

サムスンディスプレイなどM11関連企業は「新素材の開発や顧客供給に関する情報は確認するのは難しい」とコメントした。

 

(赤色ドーパント/UDC、赤色ホスト/デュポン、赤色プライム/徳山ネオルックス、緑色ドーパント/UDC、緑色ホスト/サムスンSDI、緑色プライム/徳山ネオルックス、青色ドーパント/SFC、青色ホスト/SFC、青色プライム/出光興産、A-ETL/斗山ソリューションス)