サムスンディプレイ、AR用ディスプレイはマイクロLEDが最も有力…OLEDは不可能


○2022.10.14  The Elec

 

サムスンディスプレイがAR機器向けのディスプレイは現在、OLEDでは実装が難しく、マイクロLEDが最も有力と見ている。サムスンディスプレイはAR機器市場を狙って6600PPIレベルのマイクロLED(レドス)を開発する計画を立てた。

 

キム・ミンウ、サムスンディスプレイグループ長は14日、ソウル鍾路で開かれた「マイクロ発光ダイオード(LED)ディスプレイワークショップ」で「拡張現実(AR)を実現するには高輝度ディスプレイが必要だ」とし、「現在の有機EL(OLED)では(AR)ディスプレイの実装は不可能で、新しい発光素子が必要。マイクロLEDは(ARディスプレイの)最も有力な候補だ」と語った。

 

キム・ミンウグループ長が言及した'OLED'はシリコン基板上にOLEDを蒸着するオレドス(OLEDoS:OLED on Silicon)、'マイクロLED'はシリコン基板上にマイクロLEDを上げるレドス(LEDoS:LED on Silicon)をいう。サムスンディスプレイは仮想現実(VR)機器ディスプレイに対応するために、オレドス、長期的にAR機器ディスプレイ市場を狙い、画素密度6600PPI(Pixels Per Inch)レベルのレドスを開発するという目標を立てた状態だ。 

 

キムグループ長は「ARとVR、混合現実(MR)などの実装環境は絶対に同じではない」と強調した。続いて「現実(外部環境)と断絶されるVRとは異なり、ARは屋外でイメージを実装しなければならないため、輝度が高く、軽くなければならず、パネルサイズも小さくなければならない」と説明した。

 

AR機器は屋外で使用し、実在世界の上に仮想世界を追加するため、画面がVR機器よりも鮮明でなければならない。一般に、OLEDはLEDより輝度が低い。逆にマイクロLEDは高輝度と高解像度、長寿命、フォームファクタなどが長所だ。有機物であるOLEDとは異なり、無機物であるLEDは封止(OLEDを水分・酸素から保護)工程が必要ない。

 

キムグループ長は「ARディスプレイでは5000PPI以上の画素密度が必要だ」とし「5000PPI以上で画素間隔(ピクセルピッチ)は5マイクロメートル(um)以下、赤(R)緑(G)青(B)サブピクセルサイズは3um以下に減らすべきだ」と説明した。彼は、マイクロLEDをウェアラブル製品などに適用するには、チップサイズを10um以下にする必要があると予想した。チップが小さくなるとコストを下げることができる。

 

現在、マイクロLEDはチップを配列することから転写、リペアまですべて課題だ。キムグループ長は「マイクロLEDはサブピクセルが難題」とし「このため、ブルーLEDを基盤に実装し、クォンタムドット(QD)色変換層を経る技術など、いくつかの派生的方法が開発されている」と明らかにした。続いて「今はOLED時代だが、次のステップはマイクロLEDになるかの心配をしなければならない」とし「利点の多いマイクロLEDをどのようにディスプレイに実装するかは私たちの役割」と付け加えた。