サムスン続いてTCL・チャイナスターもQD-OLEDに挑戦... インクジェット印刷の適用の31インチの自発光QLEDのデモも


2019.02.12 ET News

 

中国のTCLとチャイナスター(CSOT)がインクジェット印刷技術を適用した量子ドット- 有機EL(QD-OLED)ディスプレイを共同開発していることが確認された。QD-OLEDは、サムスンディスプレイが大型TVパネル用に開発中の次世代技術である。次世代TVとディスプレイ市場を獲得するためのセット-パネルメーカ間の技術開発競争が激しい。

 

12日、業界によると、TCLとチャイナスターは最近に31インチサイズQD-OLEDの試作品を、いくつかの顧客に示した。具体的な量産日程やサイズの拡大計画は不明であるが、サムスンディスプレイとQD-OLED技術で競争するようだと見られる。 QD-OLEDは、青色OLEDを発光源として使用して赤と緑の量子ドットをカラーフィルターに実装適用した新しいディスプレイ技術である。青色OLEDは、従来の蒸着方式を適用するが、QDカラーフィルターは、インクジェットプリンティング方式で製造することができる。

 

サムスンディスプレイは先月の「CES 2019」で65インチQD-OLEDの試作品を披露した。当時プロトタイプに適用したQDカラーフィルターは、インクジェット印刷ではなく、フォト工程を適用して製作したという。最終的な目標は、インクジェット印刷を適用して量産することである。 TCLとチャイナスターはQDカラーフィルタをインクジェット印刷で製作して、デモしたことが分かった。 

 

このプロトタイプを見た関係者は、「サイズは31インチに過ぎず、相当数のピクセル不良(ディフェクト)が見えた」とし「全体的に品質は落ちるが、新しいプロセスを利用して、次世代ディスプレイ技術を開発しているという点に意味がある」と評価しした。 QD-OLEDは、「自発光量子ドットの有機EL(QLED)」を実現するための過渡期の技術と評価される。QLEDは自ら発光する赤・緑・青のQD材料のみを使用し、次世代ディスプレイとして技術難易度が高く、すぐに商用化が難しい。専門家は、QD-OLEDを経て自発光QLEDの技術に発展していくものと見ている。

 

TCLとチャイナスターは31インチサイズの自発光QLEDも示した。中国、台湾、アメリカ、韓国など世界のパネル・製造装置・素材企業が参加するオープンな研究開発プラットフォーム「広東省印刷フレキシブルディスプレイイノベーションセンター」でインクジェット印刷ベースの自発光のQLEDも重点開発している。昨年に31インチ自発光QLEDを実証しており、今年は欠点をもっと改善して公開したものである。