サムスン電子、「Galaxy Z Fold3」に新技術の適用で差別化


2021年7月19日 UBIリサーチ

 

UBIリサーチで最近発刊した「2021 OLED部品素材報告書」によると、サムスン電子が今年8月に発売すると予想される「Galaxy Z Fold3」には、UPC(under panel camera)とpol-less(あるいはcolor filter on encapsulation、COE)、Sペン技術が新たに適用されるものと思われる。

 

まず、フロントカメラを画面の下に位置させて、スマートフォンのフルスクリーンを実装する技術であるUPCには、透明PI基板を使用するか、あるいはレーザーパターニングで基板を開孔するなど複数の技術が記載されたが、最終的には、カソード電極をレーザーでパターニングして、カメラ付近の解像度とは異なるが、可能な限りの透過率を確保したものと思われる。透明PI基板はTFTの高いプロセス温度に耐えられず、量産工程に適用されなかったものと分析される。

 

偏光板は、外光の反射防止には効果があるが、OLED発光層から発生する光の量を50%以上低減させる。偏光板を削除すると、同じ電力でより多くの光を外部に放出することができるので、同じ輝度を実現する場合、バッテリーの消耗を軽減することができる。サムスンディスプレイはカラーフィルタと低反射フィルム、ブラックpixel define layer(PDL)を適用してpol-less技術を実装したものと思われる。

 

Sペンは、最終的にelectro-magnetic resonance(EMR)方式が適用され、UTGも前作に使用された30 um厚の製品がそのまま使用されると思われる。金属製のデジタイザの柔軟性の問題のためにデジタイザが必要ないAES方式も検討がされたが、最終的には、パネルの両面にデジタイザがそれぞれ位置するようにSペンが適用されるものと予想される。

 

今回発刊された「2021 OLED部品素材報告書」は、フォルダブルOLED開発動向だけでなく、モバイル機器の開発動向、TV用素材の開発動向などを収録しており、モバイル機器とTV用素材の市場の見通しを扱ったので、関連する業界の企業に大きな助けになると予想される。