スマートフォンの画面で直接指紋認識... 韓国のクルーシャルテック、ディスプレイ一体型を開発


2017.02.21 ET News

 

韓国のクルーシャルテック(Curusial Tec)がスマートフォンの画面から直接指紋を認識することができる技術を開発した。ディスプレイ上で指紋を区別する技術は、スマートフォンの指紋認証の最終的に目指すところである。市販向け技術が公開されたのは今回が初めてである。モバイル指紋認識技術が重要な転換点に突入したという評価だ。

 

クルーシャルテックは、スマートフォンの画面上で指紋を認識することができる`ディスプレイ一体型指紋認識ソリューション(DFS)`を開発したと、21日に明らかにした。 DFSは、静電式タッチ技術と指紋認識技術の融合である。 

 

これまでのスマートフォンの画面は、タッチ入力の有無の判断にとどまった。クルーシャルテックは、検出(センシング)レベルを大幅に引き上げ、指紋まで把握できるようにした。指紋による静電容量値の変化を把握し、指紋の形状を区別することができる。入力の有無だけを区別する静電容量式タッチ技術を発展させて指紋の形状を把握することができようにしたのが特徴である。 

 

クルーシャルテックDFSは、タッチスクリーンパネル(TSP)のようにインジウムスズ酸化物(ITO)を素材として使用する。既存の1㎜以上の大きさだったタッチ認識セルを50㎛(1㎛=0.001㎜)レベルで微細化、センシング感度を高めた。DFS技術を融合すると、スマートフォンの画面から直接指紋を認識するため、別途の指紋ボタンが必要なくなる。スマートフォン前面または背面に指紋認識のための実物のボタンを配置しなくていい、さらに綺麗なスマートフォンのデザインを実装することができる。 

 

ユーザーの観点では、デザインだけでなく、指紋入力時に画面をタッチすると、動作が可能、利便性を向上させた。このような点から、スマートフォンの画面上への指紋実装が指紋認識技術の最終的なゴールとされた。 画面の指紋認識技術は、センサ、電極、薄膜トランジスタ等センシング部のほとんどを透過的に作成する技術で障壁が高く、商用化が容易ではなかった。クルーシャルテックは、実際のスマートフォンに適用可能なレベルの商用製品を作った。 

 

キム・ジョンウククルーシャルテック首席研究員は、「動作をテストするレベルのプロトタイプは、数年前に開発した」とし「認識率、透過率などの技術仕様を市場や顧客の目線に合わせて着実にアップグレードして商用化段階まで進入した」と説明した。 クルーシャルテックDFSは、ディスプレイに付着して動作する`アドオン(Add-on)`タイプである。スマートフォンの画面に加え、タッチ実装のためのTSPを付着するのと同じ方法である。DFS透過率は、従来のTSPと同等のレベルで、ユーザーの目には、表示画面だけ見える。