ドイツCYNORA、高効率/長寿命の青色TADF材料を量産向けに実用化


2016年10月6日 UBIリサーチ

 

TADF(熱活性化遅延蛍光材料)材料のリーダーであるCYNORAが16年10月5日に、高効率と寿命二つの両方を満足する新しい青色発光材料を開発したと発表した。これらの成果は、有機EL産業が必要とする青色発光性能が適正水準以上に達したものと評価されており、新たに開発されたTADF材料の実用化を2017年の終わりの目標にすると述べた。

 

2016年5月にCYNORAは、高効率の青色発光システムと、長寿命の青色発光システムをそれぞれ開発したが、その後の約6ヶ月間で、CYNORAは、高効率と長寿命を同時に満足させる発光システムを開発したと明らかにした。

CYNORAで発表したところによると、新たに開発された青色発光システムで製作されたOLEDデバイスは、420時間の寿命(LT80、500 cd / m2、λ<480 nmの条件の下で)とともに14%の外部量子効率(External Quantum Efficiency)を示し、これらの性能は、青色発光TADFが、すぐにOLEDディスプレイ産業に適用できることを示したものと評価した。

 

CYNORAのCSOであるThomas Baumannは、「青色TADF材料の持続的な発展は、TADF専門チームの成長と顧客との緊密な協力で可能することができた。また、私たちは、来年末の市場投入のために最適化された複数の種類の高性能TADF材料を開発している。」と語った。

 

CYNORAのドーパントは完全な有機物であり、真空で蒸着することができるように作られた。また、青色TADF発光物質を溶液プロセスにも適用できるように、開発する予定でもある。CYNORAの青色TADF技術に基づいてパネルメーカーで高効率と長寿命の高解像度OLEDディスプレイ製造が可能になるのかCYNORAの今後の歩みが期待される。