フルスクリーンのスマートフォン、ノッチ続いてホールの適用には製造設備投資に課題


2018.11.15 ET News

 

スマートフォンの次世代フルスクリーンデザインでノッチ(Notch)に続いて、パネルに穴を開ける穴(Hole)のデザインが脚光を浴びている。ホールの設計は、スマートフォンの全面を最大限に表示として活用するフルスクリーンを実装することができる。しかし、工程難度が高く、技術克服が課題として浮上している。 

 

14日、業界によると、ディスプレイメーカーが次世代のフルスクリーンデザインでノッチに続いてホールの設計の適用を検討している。しかし、従来にはない工程が追加してフレキシブル有機EL(OLED)に適用するので、技術難度が高くなり、適用時期を決めるのが困難である。 

 

ノッチの設計は、フルスクリーンのスマートフォンのデザインであり、アップルが最初に発表した。同じスマートフォンサイズで表示活用面積をより広げることができ、今年の世界のスマートフォン市場で主流のデザインになっている。 

 

業界は、次世代のデザインを「ホール」デザインにしている。ノッチはスマートフォン上部がエム(M)字の形だが、ホールの設計は、パネルに小さな穴を一つ開けた形である。Huaweiは「メイト20」にノッチデザインを変形したセミサークル(Semi-circle)ノッチを適用したが、ホールの形成技術とは異なる。 

 

ホールの設計は、ディスプレイを活用面積が大きくなるのが強みだ。既存のノッチデザインはアスペクト比が18.7対9で19対9まで形成された。ホールの設計を適用すると、19.5対9の割合に変わることになる。ギャラクシーS9は、フロント画面の85.3%をディスプレイに活用したが、ホールのデザインが適用されるとこの数値がより高くなる。

 

ホールの設計を適用するのに最大のネックはプロセス技術である。業界では、ノッチ構造が従来の設備と技術だけで適用することができ、比較的適用が難しくなかった評価する。実際にノッチ構造は、フレキシブルとリジッドOLED、低温多結晶シリコン液晶(LTPS LCD)に急速に広がって適用された。ノッチを適用し、収率が低くなる欠点もあったが、現在のスマートフォン市場の標準デザインになっている。 

 

一方、ホールの設計のためのHIAA(Hole in Active Area)の構造は、ノッチに比べて技術参入障壁が高いと評価される。OLED蒸着と薄膜封止(TFE)との間に、レーザドリル工程が追加されなければならないので、インライン形式で構築された既存の工場には、新しいプロセスを追加するのが難しい。新しい製造装置を追加配置する必要があるので、生産ラインの流れを変更して、ライン内のスペースの使用率を考慮する必要がある。 リジッドOLEDよりフレキシブルOLEDに適用するのがより難しいことも問題として挙げられる。リジッドOLEDにHIAA構造を適用するには、レーザーを利用して有機材料のみを削除し、ガラス封止工程を経ればできる。 一方、フレキシブルOLEDは、薄膜封止とポリイミド(PI)基板をすべて削除する必要があり、難度が高い。レーザーで切り取った断面が、水分と酸素にさらされるため、別途の封止構造を重ねて成膜(塗布)しなければならない。 

 

LTPS LCDでもノッチデザインが適用されたがホールの設計は、LCDの特徴であるバックライトを処理する問題のために容易ではないというのが専門家たちの大半の意見だ。ノッチデザインを商品化してから1年余りだが、新しいホールの設計のための追加投資をすることも、パネルメーカに負担となっている。

 

業界のある関係者は、「ホールの設計商用化の時期は来年下半期に予想されるが、追加投資額や技術難度などの問題でまだ確信するには早い」とし「新しい製造ラインを設けるのが最も効率的であるが、最近は業況が低迷し、パネルメーカの売上が良くないので、新規投資するかどうかは、今後を見守らなければならない」と述べた。