メルク、SID 2017でインクジェット印刷向けの溶液有機EL材料開発を発表


2017年5月12日 UBIリサーチ

 

メルクは21日に開催されるSID Display Week 2017で、新しいディスプレイ技術と今後進行されるプロジェクトを公開する予定だと明らかにした。

 

さらに、メルクは「The Perfect Pixel - Advanced materials for display and beyond」をテーマに、幅広い製品とサービスのポートフォリオを展示する予定だ。

 

メルクのディスプレイ材料事業部ジェネラル・マネージャであるMichael Heckmeierは「私たちは、お客様との緊密な関係を通じ、ディスプレイの技術だけでなく、品質と信頼性、サービスを徐々に向上させている」と述べた。

 

また、Michacel Heakmeier総括責任者は、「継続的な開発を通じて大手企業での地位をさらに確固たるものにすること」であり、「環境に優しい、より効率的な生産プロセスを開発することにより、最終的な消費者に、より優れた体験を提供する」と今後の計画を明らかにした。

このため、メルクは「デザインの制約がないか、しなやかさ、または色再現性、コントラスト比、エネルギー効率の高いディスプレイのほか、液晶ウィンドウ(liquid crystal window、LCW)モジュールなどの革新的な製品に焦点を当てる」と付け加えた。

 

メルクはSIDの会議でインクジェット印刷向けの溶液材料開発の現状について発表する予定である。

 

メルクによると、インクジェット印刷で作ったredとgreen層は、真空蒸着技術で作られたものと同様の効率を示している。インクジェット印刷方式はGen8以上からRGBピクセル構造の大面積OLEDパネルへの実装が可能であり、材料の使用効率が高く、量産時のコスト削減が可能であるという利点があるので、実用化が注目されている。

 

一方、メルクは、過去OLED Korea Conferenceで溶液材料については、「Redは16.4%の発光効率とLT95で 2,000hの寿命を、greenは18.7%の発光効率とLT95で 8,000hの寿命を、blueは7.5%の発光効率とLT95で 500hの寿命(1,000cd / m2の基準)を示している」とし、「11%以上の発光効率を有する青色蛍光ドーパントと明るさが20cd / Aレベルに向上された深い赤色燐光ドーパント、明るさが80cd / Aレベルに向上されたroll offを有する緑色燐光ドーパントを開発すること」が目標と述べている。