メルクは高純度の有機EL材料を増産する


2016.09.08 ZDnetなど

メルクがドイツ本社に新設したOLED材料の生産工場を稼働する。工場建設に3000万ユーロを投資し、14ヶ月間の工事を経て完成した工場である。この工場は、有機ELディスプレイと照明システムに使用される高純度OLED材料を生産する。

メルク本社で断行された単一の投資規模では最大のプロジェクトの一つである。この新工場稼働でメルクのOLED材料の生産能力は5倍に拡大した。また、この工場は、今後段階的に増産が可能である。2018年までにOLED材料の主要企業になり、OLEDディスプレイに必要なすべての化学物質を供給するという目標だ。

メルクの機能性素材事業部CEOは「OLED技術は、ディスプレイや照明の未来技術になる可能性が十分にある」とし、「早くからOLED技術にかなりのリソースを投資しており、業界で良いポジションを持っている」と述べた

OLEDは、電圧が印加されると、自ら発光する有機半導体材料である。最先端のディスプレイと照明製品に理想的な素材として脚光を浴びている。OLEDディスプレイは、視野角に関係なく維持される鮮やかな色と鮮明な画質、長い製品寿命、エネルギー効率の良さが特長である。また、薄く柔軟な特性で、従来と異なるデザインが可能で、新しい次元のアプリケーションを形成することができる。

最近では、フレキシブルOLEDディスプレイ技術の発達で、新しいデザインのスマートフォンが発売されて、消費者から大きな注目を集めている。将来的には地下鉄車両、オフィス、アパートの天井がOLEDを利用した情報パネルまたは外部の空を見ることができるディスプレイに変わる見込みだ。これらのビジョンを実現するために、メルクは超薄型の印刷工程向けのOLEDディスプレイ用材料の研究も進めている。