中国のディスプレイパネル企業の第2四半期の業績


2019.09.15 ET News

 

今年の上半期に一斉に赤字を記録した韓国のディスプレイメーカーとは異なり、中国メーカーは大型10.5世代液晶(LCD)ラインの稼働率の上昇と中小型フレキシブル有機EL(OLED)の出荷量増加などにより、いくつかの企業が業績の好調を記録したことが分かった。8.6世代LCDに投資したCEC-パンダと設備投資が増加したBOEは業績が下落したが、中小型と大型パネル出荷量が増加したチャイナスター(CSOT)とビジョノックスは業績が成長した。

 

BOEは大型LCDの供給過剰で収益性が低下した。第2四半期の売上高286億元で、前年比30%増加したが、利益は36%減の6億1700万元にとどまった。売上高は過去最高水準を記録したが、利益は減少した。運用コスト、金利、減価償却などが収益の減少に影響を及ぼしたが、大規模な政府の補助金で経営を維持するとみられる。

 

BOEは、大型LCDと中小型パネルの両方で昨年より出荷量が増えた。第2四半期の大型出荷量は前年比11%増の3850万台、中小型は47%増の1億4010万台を記録した。10.5世代の成績が予想より良かったスマートフォン用OLEDパネルの出荷が市場予想よりも多かったと思われる。

 

チャイナスターは10.5世代LCD工場の稼働を開始し、スマートフォン用の中小型LCDパネルの供給量が増加し、第2四半期の売上高が前年同期比で49%増加した。同社は今年、サムスン電子のスマートフォンAシリーズ用にLCDパネルを供給し、初めてそのサプライチェーンに参入する成果を収めた。また、10.5世代の大型LCDは、競合他社のBOEよりも一歩遅れて製造を始めたが、比較的順調に稼働率を高め、生産量を増やしたものと思われる。

 

中小型OLEDパネルを中心に生産するビジョノックスは第1四半期の赤字が発生したが、第2四半期の実績が大きく反発した。第2四半期の売上高は9億900万元、純利益は5億6300万元を記録した。中小型OLEDパネル中心のビジネスを行っており、業績の変動幅が大きかった。

 

LCD事業が主力であるCECパンダは、第2四半期で大きな損失が発生した。この企業は、大型LCDの生産効率を高めるために、既存の8世代と基板の仕様が異なる8.6世代LCDに投資して生産している。CECパンダは、今回の業績から8.6世代LCD事業を除いて発表した。第2四半期の売上高は10億9000万元、純損失6億6700万元を記録した。