天馬、来年のフレキシブルOLED は2000万台の出荷目標


2020.12.23  THEELEC

 

中国の天馬の来年の有機EL(OLED)パネル出荷量の目標を4000万台にした。今年の出荷台数の推定値の40倍に達する。

 

23日、業界によると、天馬は2021年にOLEDパネルを4000万台出荷すると発表した。このうち、フレキシブルOLEDは、半分の2000万台である。中国のBOEが2020年8月に、2020年のフレキシブルOLEDパネルを4000万台出荷すると明らかにしたものと比較すると半分の水準である。

 

天馬の来年の目標は、今年の実績との差が大きい。市場調査会社ストーン・パートナーズによると、天馬は2020年はOLEDパネルを約100万台出荷したものと推定される。フレキシブルOLEDは20万台、リジッドOLEDは80万台である。OLEDパネル4000万台は、2020年の100万台の40倍である。ストーン・パートナーズは、天馬の2021年のOLED出荷量を天馬の目標の20%水準である750万台と予想している。

 

QNED OLED 有機EL タブレット ディスプレイ モニター マイクロLED キューラックス BOE ギャラクシー iPhone JOLED パネル ミニLED QDインク 和輝光電 車載  
天馬のフレキシブルOLEDディスプレイ

 

天馬はフレキシブルOLEDに積極的に投資している。現在は武漢(TM17)の第6世代OLED工場リジッド・フレキシブル混合OLEDライン(1段階の投資)を2020年末までにフレキシブルOLEDラインに切り替えを終える予定である。2・3段階の投資であるフレキシブルOLEDラインは2021年から順次に量産稼動予定である。TM17の生産規模は、第6世代基板投入基準月で3万7500(37.5K)枚である。武漢の2段階の投資分のフレキシブルOLEDラインは当初は2021年上半期に稼動予定だったが、コロナ19に延期された。

 

同時に天馬の厦門(TM18)の第6世代フレキシブルOLED工場のために、1・2段階の投資の製造装置の入札を同時進行中である。製造装置の入荷時期は第1段階の投資分は2021年第4四半期、第2段階の投資分は2022年上半期に予想される。ここで生産規模は月に48Kである。いくつかのラインは、低温多結晶酸化物(LTPO)パネルを生産することができるように準備する予定である。480億元(約8兆1000億ウォン)を投資するTM18で天馬の投資分は15%である。

 

天馬の既存の上海(TM15)5.5世代生産ラインでリジッドOLEDパネルを生産している。武漢の既存の第6世代リジッド・フレキシブルOLED生産ラインでは、小米、レノボ、HTC、LG電子などへOLEDパネルを納品した。

 

現在、天馬は小米などで、フレキシブルOLEDサンプルテストを進めている。天馬から納品が有力なモデルは、2021年上半期に発売予定の小米のフラッグシップスマートフォンの11シリーズである。11シリーズでは天馬のBOEのフレキシブルOLEDがともに納品される可能性がある。小米のシリーズは、普及型「ライト」モデルと上位「プロ」モデルを加えると年間1000万台販売される製品である。

 

天馬のほか、中国のパネルメーカーのうち、現在までにOLEDパネル出荷を確保したメーカは多くない。BOEはいくつかのフレキシブルOLEDパネルを、VisionoxはいくつかのリジッドOLEDパネルの顧客を確保しただけである。フレキシブルOLEDパネルの採用に最も積極的だった中国のスマートフォンの事業の不確実性が大きくなって、中国のパネルメーカーは、目標とする納品先を見つけようと必死になっている。VivoとOppo、小米はフレキシブルOLEDパネル採用に比較的消極的である。