来年はフレキシブルOLEDの供給過剰が懸念される


2018.11.11 ET News

 

来年の世界スマートフォン用のフレキシブル有機EL(OLED)の新規ラインの相次ぐ稼働を控えて供給過剰懸念が高い。需要先であるスマートフォン市場が停滞した中で、OLEDの供給は増えるので、主要メーカーの稼働率の低下が予想される。 

 

11日、業界によると、サムスンディスプレイが約95%を独占供給している中小フレキシブルOLED市場に、来年からLGディスプレー、BOE、チャイナスター、エバーディスプレイ、シャープ、JOLEDが参入する。 

 

LGディスプレーは今年の年末からE6量産を開始する。今は初期稼動水準だが、同社は生産量と収量の底上げに集中している。 中国のBOEも成都でフレキシブルOLED工場B7を稼働した。また、他の中国企業のVisionoxは月3万枚規模V2ファブ稼働を開始した。サムスンディスプレイは追加工場であるA4のファブ1つのラインを年末から稼動する計画だ。 来年に新たに稼動する工場も次々待機している。中国のエバーディスプレイが上海に造成したファブはフレキシブルとリジッドの両方を生産し、月3万枚規模を備えている。第3四半期には、チャイナスターが月4万5000枚規模のT4工場の生産を開始する。第4四半期にはJOLEDが5.5世代の規模でインクジェット工場ラインで製品を生産する計画である。天馬は武漢で投資したファブでフレキシブルOLEDを生産する。 

 

これまでのフレキシブルOLED生産工場は、サムスンディスプレイのA3が唯一だった。来年からLGディスプレーE5とE6、BOE B7が稼働率を上げる。サムスンの生産能力は、A3の月の13万5000枚でに加えて4万5000枚追加される。来年の稼動を控えた他のメーカーの工場の生産能力は、全て加えると月14万枚規模と推定される。これはサムスンディスプレイA3工場を1つ追加される効果である。 

 

このために業界では、フレキシブルOLED供給過剰を懸念している。サムスンディスプレイだけが高い収率で生産性を備えており、実際の生産量増加効果がどのよう現れるかを見守る状況である。 

 

パネルサプライヤーが増える一方で、高価なフレキシブルOLEDを採用するスマートフォンメーカーが多くないのが問題だ。フレキシブルOLEDの「大物」格のアップルは今年にOLEDを採用したiPhoneのモデルを増やしたが、高価な価格のために販売台数が限られた。サムスン電子は、スマートフォンの販売減少している。世界のスマートフォン市場も飽和状態になっているし、市場の縮小が予想される。カウンターポイントリサーチは今年の年間出荷量が1%減少し、スマートフォン市場が初めてマイナス成長すると予想した。 業界関係者は、「フレキシブルOLEDの需要が停滞期なのに、新しいラインが稼動開始を控えている」とし「最大のフレキシブルOLEDメーカーであるサムスンディスプレイの稼働率の低下も避けられないようだ」と話した。