米•中貿易戦争の影響で、中国の大型OLED市場が急拡大


2019年 9月 17日 UBIリサーチ

 

最近、米国と中国の間の貿易紛争により、中国が集中投資育成産業の一つである半導体産業が困難に直面する中、中国政府が計画していた予算のかなりの部分がディスプレイ産業に流入している。ディスプレイ産業でも先端技術のOLED分野に集中しており、モバイル製品の生産ラインの6世代ラインの投資が大半を占めている。今年は6世代ラインの基準でVisionoxとTianmaで既に行われBOEとCSOTも今年中に追加投資が行われる予定である。

 

米•中貿易紛争により相対的に制約が少ないディスプレイ分野への投資が活発に行われながら、モバイルOLED生産ラインだけでなく、大型OLEDラインである8.5世代、10.5世代ラインも投資時期を前倒しすることを検討中であることが分かった。

 

大型OLEDラインは、現在のLGディスプレーのみが量産が可能な技術として、生産ラインの中核であるOxide TFTとWhite OLED蒸着方式で生産している。サムスンディスプレイはまた、Oxide TFTとBlueベースのOLED蒸着方式にQD構造を追加することで、量産検討中である。

 

サムスンとLGは有機物に熱を加えて蒸着する方式の技術を採用して量産または量産準備中だが、中国OLEDパネルメーカーは、RGB Inkjet方式(Solution Process OLED)の量産ラインでの方向を検討していた。しかし、最近の投資が前倒しになり、量産検証がされていないRGB Inkjet方式の投資に対して専門家は懸念を持っている。

 

LGディスプレーのWhite OLED蒸着方式は、既に量産実績のある技術であり、サムスンディスプレイはまた、構造が違うだけで同じ方式の蒸着方法で投資する予定だからだ。果たして、中国OLEDパネルメーカーが2位の戦略を超えるRGB Inkjet方式を採用するか、再検証された技術である蒸着方法で方向を変えるか見守る必要がありそうだ。