車載用ディスプレイ市場でのOLEDディスプレイの拡大や、QD-OLEDの開発など発表


2023.04.13 The Elec

 

LGディスプレイのオート営業担当アン常務が「車両用ディスプレイ市場で有機EL(OLED)浸透率が今年7%台から2026年15%台、2030年30%台まで拡大するだろう」と展望した。

 

アンLGディスプレイ常務は13日、仁川で開かれたUBIリサーチの「2023 OLEDコリアカンファレンス」でこのように明らかにし、「車両用OLEDの平均サイズも2022年12インチ台から2030年には18インチ台まで大きくなるだろう」と期待した。

 

アン常務は「LGディスプレイは2019年に業界初の車両用ツースタックタンデム(Two Stack Tandem:発光層が2層)構造OLEDを量産した」とし「今年は従来より輝度と寿命を高めた第2世代タンデムOLED量産を開始した。」と述べた。ツースタックタンデム構造OLEDは、発光層が1層の「シングルスタック」(Single Stack)方式より高輝度や長寿命などに強みがある。

 

アン常務は「現在、複数のグローバルブランド企業と10以上(車両用OLED)のプロジェクトを進めている」とし「今後30インチから50インチ台までサイズを拡大し、ベンダーブル、スライダーブル、ローラブル、透明OLEDなど革新的なフォームファクター製品も開発する」と明らかにした。

 

一方、サムスンディスプレイ大型事業部戦略マーケティング実装副社長は「クアンタムドット(QD)-OLED生産収率が90%を突破した」と明らかにした。サムスンディスプレイは昨年上半期のQD-OLED生産収率を85%以上に上げた。

 

このサムスンディスプレイ副社長は「高画質コンテンツを表現できる最適なHDRを実現するには、ディスプレイ業界でカラーの新しい基準を確立しなければならない」と明らかにした。新しい基準については「色域基準を現在のDCI-P3からBT2020(国際電気通信連合(ITU)で制定したUHD(4K)色規格)に切り替え、どの明るさでも同じ色を表現できるカラーボリュームを重要に考慮しなければならない」と説明した。また「ホワイト画面で測定した輝度よりも赤(R)緑(G)青(B)三原色のカラー輝度が消費者実用環境でより重要な画質特性」と付け加えた。

 

サムスンディスプレイは「進化した人工知能(AI)技術と最新の有機材料を適用した2023年型QD-OLEDは、RGBそれぞれの明るさが改善され、最大カラー輝度が2000ニット以上に向上した」とし、「パネル効率面でも一般視聴環境では問題がない」と明らかにした。 

 

サムスンディスプレイがQD-OLEDに追加投資するには、ガラス基板の上板を使わない技術とともに、青色燐光素子の開発の有無も重要に作用するという見通しが優勢だ。既存のQD-OLEDは、発光層に必要なガラス基板の下板と、QD色変換層用ガラス基板上板が入る。サムスンディスプレイはここでQD色変換層用ガラス基板上板を使わない技術を開発している。また、既存の青色蛍光素子よりも内部発光効率が4倍の青色燐光素子が量産適用されると、発光層を減らすことができる。すべて材料原価と直結する部分である。