韓国のSunicシステムが、面ソース方式で高解像度のAMOLEDパネルの製造を可能にした


9月5日 ET News

韓国の技術で、最大で11Kレベルの超高解像度の有機EL(OLED)ディスプレイを蒸着することができる、新しい技術方式が注目されている。無限に広がる画質競争で、新たな局面を迎える可能性に業界の関心が集中している。

韓国の有機ELディスプレイ製造装置のメーカのSunicシステム(代表イヨウンジョン)は、OLED有機物を蒸着する既存の線形ソース(Linear Source)方式ではなく面ソース(Plane Source)蒸着方式を適用した研究結果を、8月23日から26日まで済州で開かれた国際情報ディスプレイ学会(IMID)で発表した。

Sunicシステムの開発中の技術は、蒸着された微細なパターンの薄膜同士が重なって解像度が落ちる問題を解決することができる。現在商用化されたOLEDパネルは577ppiであるが、新技術を適用すると、最高11Kレベルの2250ppiまで実現できると見込んでいる。

現在OLED有機物は、線形ソース方式で蒸着するのが一般的である。薄い長方形の形にノズルを並べて配置して、熱を加えると有機物が蒸発して、上部の基板に付着する。パネルが大面積の場合、有機物粉末が入った蒸着源(Crucible)を移動させ、薄膜蒸着をする。

Sunicシステムが提案した方式は、ソースが再堆積過程を経るのが特徴である。第1段階として、従来の線形ソース方式で蒸着する過程は同じであるが、ガラス基板ではなく、メタルシートに蒸着して薄膜を形成する。 2段階でメタルシートに蒸着された薄膜に熱を加えて再蒸発過程を経て、基板に最終的に有機物を蒸着する。

再堆積プロセスを含むため、既存の線形ソース方式より工程が増えるという短所がある。しかし、研究の結果シャドウ現象が減って高解像度に優れていると表示されて、高解像度OLEDとRGB方式OLED TV商用化の可能性を高めると予想した。

Sunicシステムが面ソース方式を提案したのは、既存の線形方式が気体化された有機物が基板に蒸着されるシャドウマスクのために、各が生じ、有機物パターンが重なって蒸着されるシャドー問題を解決することである。

Shadow distance原理、SunicシステムIMID2016

Plane Source Process、SunicシステムIMID2016

プレインソースの適用application、SunicシステムIMID2016

プレインソースの適用application、SunicシステムIMID2016

シャドウアングルが小さくなるほど有機物が重複して蒸着されている区間(shadow distance)が大きくなる。シャドウ区間が大きくなると、全体の解像度が低くなるという問題が発生する。

これまで業界では、シャドウアングルの角度の発生を最小限に抑えるためシャドウマスクの厚さを減らすか、またはノズルの形態を変えるなど、様々な試みをしてきた。有機物パターンのシャドウ区間が大きくなったり、重複蒸着される現象のため1000ppi以上の高解像度を実現するのが難しい限界に達した。

Sunicシステムは、「新しい面ソース方式を利用すれば、有機物シャドー蒸着距離を既存の3.0ミクロン(㎛)から0.37㎛までに減らし、約8倍向上させることができると予測される」とし「実際のOLED生産環境では、追加の研究が必要であるが、超高解像度OLEDと大型RGB OLED TVを量産することができる可能性を高めると期待する」と説明した。