韓国の製造装置メーカは、有機EL製造装置の中国GoVisionoxなどへの輸出を加速


   2016.12.23 

 

韓国の有機EL(OLED)製造装置メーカーが韓国市場から中国へ活動領域を拡大している。

 

JUSUNG ENGINEERING 、エスエフエイ(SFA) 、テラセミコンなどは、従来の液晶(LCD)の生産に使われる装置を国内外に積極的に供給しながら、最近ではOLED製造装置の輸出でさらなる躍進を狙っている。

 

22日関連業界によると、JUSUNG ENGINEERING は、中国のGoVisionox(GVO)にOLED封止蒸着装置(カプセル化)で180億ウォン相当の供給契約を締結した。装置の納入期間は、2017年5月までである。

 

GoVisionoxは昆山に、横と縦がそれぞれ1300㎜と1500㎜の第5.5世代規格でのOLED基板を生産する工場を建設中である。ビジョンオックスは「リジッド」(rigid、曲がらない)と「フレキシブル」(flexible、曲がる)OLED生産を同時に推進している。来年末の稼働に入るGoVisionox昆山工場は、投資額が数兆ウォンに達する。

 

JUSUNG ENGINEERING がこのGoVisionoxに納入する封止蒸着装置は、OLEDの上に封止材を成膜して、水分と空気の浸透を防ぐ機能をする。封止蒸着装置は、有機EL蒸着装置と同様に重要なOLED製造装置である。今回の契約でJUSUNG ENGINEERING は、これまでLGディスプレーなど国内市場のみ供給していた封止蒸着装置を初めて中国に輸出することになった。

 

エスエフエイもGoVisionoxから最近に総1106億ウォン規模で、有機蒸着装置を受注した。有機蒸着装置は、OLEDが自ら光を出す「自発光」が可能なようにOLED基板の上に有機物を精密に成膜する機能がある。

 

特に、年間2兆ウォンに達する有機蒸着装置の市場は、これまでキャノントッキ(Tokki)とアルバック(Ulvac)などの日本企業が独占してきた。エスエフエイは過去数年間、蒸着装置で220億ウォンほどの研究開発(R&D)の費用を投入した結果、昨年には中国のTrulyと520億ウォン規模での供給契約を締結したのに続き、今回のGoVisionoxとも取引を成立させることができた。

 

テラセミコンもGoVisionoxと148億ウォン相当のOLED熱処理装置を提供することに最近契約した。熱処理装置は、OLED基板の上に必要な物質を塗布した後、熱を加えて安定化させる機能をする。このほか、DMSの(DMS とKCTECH(케이시텍)  、APシステム  、ビアトロンなどが中国でのOLED投資と関連して、装置の受注を行ったと予想される。

 

業界関係者は、「これまでOLEDの分野は、サムスンディスプレイが世界市場の90%以上を独占しながら関連製造装置も国内市場を中心に供給されてきた」とし「しかし、最近のVisionoxとBOEの(BOE)、Trulyなど中国メーカーが相次いでOLED投資を推進しているので、製造装置の輸出も加速している」と述べた。