有機EL蒸着装置市場でキヤノントッキを代替可能な候補は?


2017年 4月 25日 UBIリサーチ

有機ELを採用したスマートフォンが増えている。米国Appleは2017年下半期にOLEDを採用したiPhoneを発売する予定で、Samsung Electronicsは全てのスマートフォンにOLEDを採用すると見込まれている。中国の電機メーカーもハイエンドスマートフォンにOLEDを採用しており、Samsung Displayの中国向けOLED生産量も増加している様子だ。

スマートフォン向けOLEDに対する需要が高まり、Samsung Display、LG Display、ジャパンディスプレイ、BOE、CSOTなど、主要ディスプレイメーカーは第6世代規模のフレキシブルAMOLED量産ラインへ投資を進めるなど計画している。

2017年から2018年の2年間、パネルメーカーの投資が予想される第6世代フレキシブルAMOLED量産ラインの規模は、月産15,000枚が基準で約20ラインで、OLED量産ライン稼働に必須である蒸着装置を20台を確保することが重要な課題となっている。

現在、韓国でフレキシブルAMOLEDを量産しているSamsung DisplayとLG Displayは、キヤノントッキが製造した蒸着装置を導入して量産を行っている。韓国のSFAと韓国のSNU、アルバックも中国パネルメーカーに量産用の蒸着装置を納入しているが、第4世代から第5世代向けの装置である。2016年、韓国のSunic SystemはLG Displayに第6世代用蒸着装置を納品したものの、まだ量産にはつながっていない。即ち、第6世代用蒸着装置の量産を実現したメーカーはキヤノントッキのみとなっている。

パネルメーカーはキヤノントッキ製蒸着装置の購入を希望しているが、、残念ながらキヤノントッキは蒸着装置製造ラインは製造能力がフルキャパで、全てのパネルメーカーからの要望に対応できない状況だ。そのような中で、SFAはSUNを買収し、装着装置に対する競争力を備え、中国のGVOと中国のRoyalから第5.5世代の量産ライン用蒸着装置を受注することに成功した。Sunic Systemも2016年下半期に第6世代用蒸着装置を追加受注し、Applied Materialsも同装置をパネルメーカーに納品するよう開発に取り組んでいる。

このようにキヤノントッキが絶対的な存在感を持っている蒸着装置市場で、一歩出遅れた後発の蒸着装置メーカーの挑戦が相次いでいる。キヤノントッキも徐々に蒸着装置量産の生産能力を拡大していくと見られている中、後発の蒸着装置メーカーが製造した蒸着装置の導入が第6世代フレキシブルAMOLEDの量産成功につながるかどうかによって、今後の蒸着装置市場が大きく影響を受けると見込まれる。