2025年7月14日 ET News
サムスン電子は、中国製のRGB(赤・緑・青)ミニLEDテレビよりもLED素子のサイズを小さくした「RGBマイクロLEDテレビ」を、「IFA 2025」で公開する。
サムスン電子は、9月にドイツで開催されるIFA 2025にて、115インチのRGBマイクロLEDテレビを正式に発表し、年内に正式販売を開始する予定である。これはサムスン電子として初のRGB LEDテレビとなる。
すでにサムスンは、CES 2025で企業顧客向けに98インチのRGBマイクロLEDテレビの試作品を披露していたが、正式製品はそれよりも大きい115インチに最終決定し、公式な発売計画も立てた。
RGB LEDテレビは、従来のLCDのように白色LEDをバックライトに使用せず、赤・緑・青のLEDを直接発光源として採用するのが特徴だ。白色バックライト方式に比べて、色再現性、明るさ、コントラスト比などの面で圧倒的に高画質と評価されており、「プレミアムLCDの最終進化形」とも呼ばれる。
サムスンが公開するRGBマイクロLEDテレビの素子サイズは100マイクロメートル(μm)以下であり、中国が既に商用化しているRGBミニLEDテレビ(100~500μm)よりも小型化されている。
これによりサムスンは、明暗の細かな調整が可能となり、ローカルディミング(画面分割駆動)効果を最大化して、より深みのある黒や明るい映像表現を、RGBミニLEDテレビと差別化できるようにしている。
またサムスン電子は、115インチのRGBマイクロLEDテレビに加え、RGBミニLEDテレビの新製品も併せて発表する予定だ。
このようなサムスンの動きは、価格競争力を武器にLCDテレビの出荷量を急増させている中国勢に対して、プレミアム市場の主導権を維持するための戦略と見られる。また、今年から攻勢を強めるOLEDテレビと並行して、テレビ市場での超格差戦略を進めていると解釈できる。
一方、世界で初めてRGBミニLEDテレビ(116UX・116インチ)を商用化したハイセンスは、3月に中国で発売したのに続き、10月には韓国での正式販売を予定している。