サムスンディスプレイのQNED(quantum dot nano-rod LED)の構造とコア技術


2021年7月29日 UBIリサーチ

 

サムスンディスプレイ研究所は、OLEDに続く次世代のディスプレイとしてQNED開発に拍車をかけている。

 

サムスンディスプレイがQNEDを大型ディスプレイ事業の一環として開発している理由は、サムスンディスプレイの最大の顧客であるサムスン電子が満足できる画質を出すことができる唯一のディスプレイであるからである。

 

世界のTV市場シェア1位のサムスン電子のTV事業の方向は、QDを使用して色再現率をOLEDより良くし、高い輝度として明るい画面で階調特性に優れたHDR性能を最大化することができるディスプレイを使用して、最高レベルのTVを顧客に提供するものである。

 

これらのサムスン電子のニーズを唯一満足させることができるディスプレイがまさにQNEDある。

 

QNEDは自発光ディスプレイであり、QDを使用するため、色再現率とHDR、輝度、コントラスト比などのすべての属性が良好で、サムスン電子で期待している製品である。

 

QNEDが最高の特性を持つディスプレイであることは構造として確認することができる。QNEDは大型OLEDで使用される3T1CのTFT構造上nano-rod LEDがある画素層は、その上部にQDとCF(color filter)で構成されている色変換層で構成されている。

 

OLEDは、画素に信号を伝達するための電極(陰電極、陽電極)と配線が発光材料上下部に位置しているが、QNEDは信号伝達電極(画素電極)と配線がすべて同じ平面に位置している。QNEDは画素電極に加えて、発光効率を高めるための反射電極が追加される。Nano-rod LEDを配置するための配置の電極は、画素電極が兼ねている。

 

QNED断面構造
QNED断面構造
QNED画素部の構造
QNED画素部の構造
QNED画素平面構造
QNED画素平面構造

 

QNED画素の平面構造をみると、1つの画素内には、多数の画素電極が直列に接続されており、画素電極の間にnano-rod LEDが配置されている。画素電極は、絶縁材料で形成されている隔壁(PW)上にあり、各画素は、バンク(BNK)によって囲まれて領域が区分されている。

 

QNEDのコア技術は、駆動技術とセンシング技術である。

 

駆動技術には、nano-rod LEDを配置するための駆動技術とバラツクnano-rod LED数に対応できる、画素の光を均一に制御することができる駆動技術がある。ソート回路は、画素ごとにスイッチング素子があり、スイッチング素子でソート信号を画素に印加する。各画素にどの整列信号を与えるかによって、nano-rod LEDの配置状態が決定される。