中国メーカの第6世代flexible OLED製造ラインが再編される可能性


2022年10月13日 UBIリサーチ

 

UBIリサーチで最近に発刊する「2022 OLEDディスプレイ半期報告書」によれば、中国内の6世代 flexible OLEDラインが再編される見通しである。

 

中国でスマートフォン用フレキシブルOLEDを生産する代表的な企業は、BOEとTCL CSOT、Tianma、Visionoxがある。EDOもflexible OLEDラインを一部保有中や、rigid OLED中心にパネルを量産している。

 

このうち、TCL CSOTとVisionoxが最近の経営難が持続し、中国内のflexible OLEDラインが再編される可能性が提起されている。

 

TCL CSOTはXiaomiに主にパネルを供給したが、最近ではパネル性能問題とTianmaのプロモーションにより、月45K規模のT4ラインの第3四半期稼働率が10%水準にとどまっていることが調査された。特に、ph-3はph-1,2の低調な稼働率により稼働が無期限に延期されている状況である。また、AppleにiPhoneシリーズ用パネル供給のためのプロモーションを試みたが、良い結果が得られなかったようだ。

 

Honorにflexible OLEDを主に供給しているVisionoxは最近、月30K規模でV3ラインを稼働しているが、パネル価格が30ドル以下に決定され、売上高に大きな影響を受けている。確実な顧客会社を確保し、稼働率が保障された反面、収益が保障されない状況なのである。

 

このため、TCL CSOTのT4ラインとVisionoxのV3ラインはBOEが買収するという可能性が提起されている。UBIリサーチのアナリストのユン・デジョン氏は「T4ラインの場合、今後BOEがB20 LTPSラインにOLED設備が投入されればTCL CSOTのT4のラインを買収してこれを活用する可能性とVisionoxでV3ラインを売却後T4ラインの一部を買収する」可能性がある。V3ラインの場合、Hefei(合肥市)政府がBOEに買収を提案したという話も聞こえる」と明らかにした。

 

今後、中国の第6世代フレキシブルOLEDラインが急激に変化する可能性は低いが、市場の低迷と以前から継続的な過剰投資と評価される状況の中で、中国のパネルメーカーが今後のライン運用をどのように持続するのかの帰着が注目される。

 

2022年8月までのTCL CSOT T4ラインの稼働率 出典: 2022 OLEDディスプレイ半期レポート 
2022年8月までのTCL CSOT T4ラインの稼働率 出典: 2022 OLEDディスプレイ半期レポート