iPhoneの販売低迷が、有機EL業界を直撃


2018.11.13  ET News

 

韓国の部品業界は、iPhoneに使われる半導体、ディスプレイ、カメラ・モジュール、フレキシブル回路基板(PCB)、バッテリーなど主要部品を供給している。サムスン電子の関連企業は、年間10兆ウォンを超える部品をアップルに販売する。アップルの売上比率が半分を超える企業もある。アップル依存度が高い韓国の部品業界が、iPhoneの販売低迷の直撃を迎えることが懸念される。 

 

12日(現地時間)、iPhoneの最新の製品にフェイスID技術を提供するルーメンタームホールディングスは、第4四半期の売上高が7000万ドル減少すると発表した。アップル新型iPhoneの販売台数低迷を反映した業績見通し値だ。この影響で、アップルの株価はこの日、5.04%急落した。 

 

iPhoneの販売低迷の見通しがあちこちで出ている。アップルに精通していることで知られる、TFインターナショナル証券の郭ミンチュ研究員は、iPhone XR(テンアール)の販売量が減少し、来年第1四半期全体のiPhoneの販売台数も減少すると予想した。郭研究員は来年の第1四半期のiPhoneの出荷量を、今年の第1四半期の販売台数4700万台に500万台を加えた5200万台以上と予測した。

 

市場調査会社のIHSは今年OLED iPhoneの販売見通しを続けて下方修正している。昨年末には2018年のOLED iPhoneの出荷量を1億5000万台水準と予想したが、今年初めには1億2000万台に引き下げた。先月には、7200万台まで減らし、最近では5000万台レベルまで低下することがあるという見通しを出した。 

 

韓国部品業界でも、iPhone用部品の供給量が減少の兆しを見せている。iPhoneのための有機EL(OLED)パネルを生産するサムスンディスプレイA3ラインの稼働率は、昨年は100%のレベルにフル稼働体制を維持したが、昨年下半期からの供給量が急激に減少し、10〜20%まで落ちた。今年の新モデル発売効果で稼働率は再び上昇したが、今年の第3四半期ではA3稼働率が60%台水準にとどまっているという。 

 

業界では、来年の第1四半期の市場予想通り、iPhoneの販売台数が昨年より約500万台減るので、サムスン電子、サムスンディスプレイ、サムスン電気、LGイノテック、LG化学、三星SDIなどの大企業の売上高も大幅に削減と予想した。このほかにもビエイチ、ハイビジョンシステムなど中小部品・機器業界も販売の減少を迎えるとみられる。

 

この状況を反映するように、13日、iPhoneのテーマ株に分類された企業の株価が暴落した。LGイノテックは9.5%急落した。RGPCBを供給するビエイチは取引時間中に9.83%まで下落した。積層セラミックコンデンサ(MLCC)などを生産する三星電気も、3%下落で始まり5%まで低下した。

 

アップルに部品を供給した業界関係者は、「当初の予想値に比べ、アップルの注文が減る予想は正しい」とし「これまでアップルやサムスン電子に大きく依存してきた韓国部品業界は、中国のスマートフォンメーカーなどに供給先を多様化していなければ、販売のハードランディングが予想される」と憂慮した。