レーザリフトオフ(LLO)装置は、エキシマから固体レーザへ変化したので、Philopticsが急成長


2017.10.31 ET News

 

サムスンディスプレイがフレキシブル有機EL(OLED)用レーザリフトオフ(LLO、Laser Lift Off)装置を、エキシマレーザー(Excimer Laser)方式からダイオード励起固体レーザ(DPSS、Diode Pumping Solid-State )方式に変更した。これにより、サムスンに独占的にLLO装置を供給するAPシステムに対して、新たにPhilopticsという競合企業が現れた。今年にA3ラインに投資したLLO機器のほとんどの装置をDPSS方式で満たしたようだ。またAPシステムもDPSS方式の装置を開発している。

 

31日、業界によると、サムスンディスプレイは、昨年下半期から今年まで投資したA3ラインほとんどのDPSS方式の光学系のLLO装置を採用している。技術方式が変わり、APシステムに代わってPhilopticsが主要な装置のサプライヤーになった。 

 

LLO装置は、ガラス素材のキャリアグラスにポリイミド(PI)溶液をコーティングした後、これを分離する際に使用される製造装置である。既存の液晶表示装置(LCD)にない新しい工程である。ガラスからフィルムを剥がす際にフィルムが破損しないように、デバイスの特性変化なしにきれいに落とすことが難しい工程である。 

 

第6世代フレキシブルOLEDを最初に実用化したサムスンディスプレイは、初期にはエキシマ方式をLLOの主要レーザ光源として採用した。APシステムは、米国のコヒーレントからエキシマレーザ光源を輸入して機器を供給した。 今年にはエキシマ方式よりも価格が安く、維持管理が容易なDPSS方法に採用が移動した。1つのラインごとに必要なLLO装置の台数を減らすことができ、何よりも維持管理が容易である。 

 

DPSSのレーザーソースはドイツ企業のTRUMPF から供給される。機器構成に必要な光学系を独自の技術で構成されて維持管理にかかる時間とコストを減らした。

 

実際DPSS方式のLLO機器を供給するPhilopticsが、昨年と今年で、サムスンディスプレイへの納入実績を大幅に拡大した。市場では、Philopticsが、昨年、サムスンディスプレイが購入したLLO比重の約70%を占めたと分析した。今年の発注量は、ほぼ全量をフィル・オプティクスが占有したものと思われる。

 

Philopticsは、主要顧客で納品割合を高めたため、売上高が2015年の607億ウォンから2016年の1827億ウォンで約3倍以上増加した。営業利益は82億ウォンの赤字から156億ウォンの黒字に転じた。証券業界では、今年はPhilopticsが約3000億ウォンの売上と300億ウォン台の営業利益を達成する推定した。 

 

APシステムは、海外にターゲットを移し変え、市場の変化に対応した。6世代フレキシブルOLEDに投資する中国のパネルメーカーを中心に製品を供給している。しかし後発のPhilopticsに韓国市場を奪われ、勢いに陰りがある。レーザー結晶化(ELA)装置の市場支配力がまだあり、後工程のラミネート装置を新たに供給しており、全体的な売上には大きな影響はないように見える。 

 

Philopticsも国内外の事業拡大に期待をかけている。サムスンディスプレイが新工場(仮称A5)の投資を決定した場合、このプロジェクトに参加することが期待される。最近、中国事業拡大にも始動をかけた。9月の中国GVOと600万ドル(約67億ウォン)規模の供給契約を結んだ。 

 

Philopticsは、LLO機器のほか、いくつかの新規事業拡大に備えるため、京畿道烏山市(Osan-si)に新社屋を建設することにした。来年2月に新社屋を着工し、12月完成の目標にした。 Philopticsの関係者は、「前工程装置産業の成長と装置製品群が多様化し、中長期の生産能力を確保するために、現在4つの工場に分散された事業所を烏山新社屋に統合する計画だ」と説明した。